ソーラーパネルについて③:卒FITに向けてできること

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クロセの記事を読むのが初めての方は、まずこちらの記事をお読みください。

ソーラーパネルに関する過去記事は以下になります。

ソーラーパネルについて①:メリット・デメリットを把握する
ソーラーパネルについて②:発電量を予測する

前回の記事では発電量の予測することで設置費を10年で元が取れるかどうか確認する計算方法を実践形式で書いてみました。

今回は元が取れた10年以降に来る卒FITに向けてできる対策を書いていこうと思います。

そもそもFITを存じていない人もいると思いますので、それもまとめて書いていきます。

FITとは

FITとは再生可能エネルギーの固定価格買取制度(Feed-in Tariff)のことです。

簡単に言えば「10年ないし20年の間、一般的な売電額よりも高く電気を買い取ってくれる制度」です。

ソーラーパネルの設置容量が10kW未満の場合は10年、10kW以上の場合は20年間固定にできますが、20年間固定にすると売電額が下がるため、どちらがいいかは前回の記事を参考に自分で計算してみてください。

FITによる買い取り額はこちらのページを参照してください。
2022年は10kW未満だと17円/kWh、それ以上だと11円/kWh以下のようです。

今後、卒FIT後の買い取り額がどのようになるかは不明ですが、10kWh以上で20年固定のFITはあまりお得ではないように感じます。

卒FIT対策を考える

最初に契約したFITの機関である10年ないし20年が過ぎることを俗に「卒FIT」と呼びますが、この期間が過ぎるとどうなるのか。

売電額が大幅に下がります。

ざっと調べた限り、2022年4月現在で卒FIT後の買い取り単価がおおよそ10円/kWh前後といったところでしょう。

これに対して一般的な電気代の単価は大体25円/kWh前後です。(地域によって多少異なりますが)

余剰電力を売っても10円ですが、自分で使えば25円として扱えることを考えると、卒FIT後は自分で消費する電気をできるだけ高めることが有効であることがわかります。

このことを念頭に置いてどういった対策があるかを紹介します。

蓄電池の採用

蓄電池を採用することで、自家消費しきれない余剰電気を蓄電池に溜めておくことができます。

以下の図のように、昼間はソーラーパネルで発電した電気を自家消費+蓄電池に充電し、夜は蓄電池に溜めた電気を消費することで、発電した電気を安く売ることなく使うことができます。



また、蓄電池を採用することで、災害時に停電した時でも蓄電池に電気が残っている限り普段通りに生活をすることができます。

ただし、蓄電池はまだまだ価格が高く、メリットに見合っていない印象です。

2022年4月現在で比較的安価といわれるテスラパワーウォールという蓄電池でも、本体費用+設置費用で150万程度はかかるようです。

細かく計算したわけではないですが、感覚的に元を取るのは無理だと思います。

ただし、災害時の停電対策としては有効だと思います。

投資的な意味で言えば、売電額が安くなったとしてもソーラーパネルを今まで通り使うほうがいいかと思います。

エコキュートで自家消費率を高める

エコキュートは深夜帯に電気代が安くなるプランと組み合わせて、夜の安い電気代で1日分のお湯を作ってお風呂や洗面に利用する仕組みです。

このお湯を晴れた日の日中に作らせることで、ソーラーパネルで発電した電気を利用できるので自家消費率を高めることができます。

やり方としてはエコキュートのタイマーをずらして日中にお湯を沸くように調整するだけです。

この方法の欠点として晴れじゃない日はタイマーを戻さなければならないわけですが、エコキュートの機種によっては「ソーラーチャージ」という天気に合わせてお湯の沸き上げを調整してくれる機能が付いたものもあります。

https://sumai.panasonic.jp/hp/feature/detail.php?id=2_25

FIT終了後にエコキュートの交換が必要になった際に、この機能が付いたエコキュートに切り替えるのはありだと思います。

2022年4月現在では、パナソニック製のエコキュートのみこの機能がついているようです。

EV車・PHEV車を使う

EV車・PHEV車の充電にソーラーパネルで発電した電気を使うことでも自家消費率を高めることができるでしょう。

使い方としては200Vのコンセントを駐車場付近に用意しておくだけです。

また、別の方法として「V2H」と呼ばれる設備を設置する方法もあります。



V2Hは上図のように電気自動車の充電をするだけでなく、蓄電池のように扱えるようにする設備です。

昼はソーラーパネルで発電した余剰電力を充電しておくことができるし、夜や停電時には電気自動車に溜めておいた電気を使って電化製品を動かすことができます。

ただ、蓄電池同様にV2Hの設備もそこそこ高く、ネットで調べると設備費+工事費で100万前後はかかるようですし、EV/PHEV車自体も一般的なガソリン車に比べるとまだまだ高い印象です。

また、車のバッテリの消耗も早くなるのでその点には留意しておいてください。

V2Hの導入には結構な補助金が出るようで、設備に対しては上限75万までで費用の50%を、工事費については上限40万円まで全額補助されるようですので、補助金がもらえれば蓄電池よりもかなり安く済む印象です。
(令和4年度は補助金額が変わるかもしれません)

今後、普及が進めばこれらは少しずつ価格が下がっていくと思いますので、FITが終わったタイミングで価格がいい感じになっていれば導入を検討してもいいと思います。

あらかじめ容量を少なめに設置する。

少し前であれば売電価格もそこそこ高くてソーラーパネルは載せれるだけ載せたほうがいいといわれていましたが、今は売電価格が下がってきましたので、そうとも言えなくなってきました。
(ソーラーパネルの価格次第ではありますが)

そのため、できるだけ自家消費ができる程度に設置容量を抑えるというのも一つの手段だと思います。

一般家庭であれば5kWくらいに抑えてもいいですし、ちょうどZEH補助金がもらえる程度に設置するのも悪くないかと思います。

ただし、少なすぎるとパワコンの設置費用やメンテナンス費用が重くなるので、少なくとも4~5kWhの載せておいた方がいいかと思います。

終わりに

今回はソーラーパネルの卒FITに向けて、できそうな対策を思いつくかぎり挙げてみました。

私が思いついたことを書いただけなので、まだまだできることはあるかと思います。

卒FIT対策で共通していることは「自家消費を高める」ことですので、皆さんもぜひ考えてみてください。

電化製品を使った家事を昼に集中させるというだけでも多少は変わると思います。

もしこれ以外にも方法がありましたら、コメントで残していただけると幸いです。

では。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

2020年2月からアイ工務店と一緒に建てたマイホームに居住中。 家の中が寒いのがいやだというところから家づくりを開始した結果、高断熱高気密という言葉に出会う。 以降、いろいろ調べているうちに高断熱高気密の沼にはまり、使者を自称するようになる。