アイ工務店の標準仕様を調査してみよう!

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クロセの記事を読むのが初めての方は、まずこちらの記事をお読みください。

ども、クロセです。

早速ですが、今回は私の家を建ててもらった業者である「アイ工務店」の標準仕様をみていこうと思います。

アイ工務店の公式HPにもどんな家なのか書いていますが、構造が…設計が…とか言われても正直なところよくわからないっていう人が少なくないと思います。

そこで、本記事では今まで私が記事の中で解説してきたことや私の体験談を交えながら、アイ工務店ではどんな家が建つのか書き起こしてみようと思います。

アイ工務店での家づくりを検討されている方はぜひ読んでみてください。

まえがき

標準仕様をみる前に、以下のことに留意してください。

 

情報が古い可能性があります。

私が家づくりを始めたのが2019年6月、そしてこの記事を書いているのが2021年10月です。

可能な限り、最新な情報になるように調べながら書きますが、情報が古い可能性がありますのでご注意ください。

 

標準仕様が地方によって異なります。

アイ工務店の特徴として、店舗ごとに標準仕様が異なるというのがあるため、各種仕様が微妙に異なる可能性があります。

住宅性能はほとんど変わらないと思いますが、本記事の情報は参考程度にとどめて正確な情報はお近くの支店で確かめてください。

 

商品はEes仕様です。

アイ工務店はいくつか商品が用意されていますが、今回解説するのは一番標準的な「Ees」の仕様です。

 

2023年発表 Nee-Sについて

2023年からEes仕様が廃止され、Nee-S仕様に刷新されました。

具体的に変更箇所はここの記事に記載しています。

多くの仕様はEesと共通ですが、主に断滅性能が大きく向上しています。

 

以上のことに留意して本記事をお読みください。
では今度こそアイ工務店の標準仕様をみていきます。

 

断熱材

標準で使用している断熱材と厚みは以下の通りです。

屋根:吹付断熱 200mm
外壁:吹付断熱 90mm
床下:フェノールフォーム 45mm

床下はポリスチレンフォーム85mmという情報もありますが、性能的にはほぼ同等と思っていいです。

吹付断熱は私の時はアクアフォームでしたが、今はダルトフォームを使っているという話も聞きます。
これも性能差はほとんどありません。

以下の記事で断熱材の話をしています。

断熱材のお話①:熱伝導率と厚み
断熱材のお話②:断熱材の種類について

これらの記事で、私は以下のように述べました。

・断熱材の厚みはグラスウール16k相当で屋根200、外壁100、床下100くらいはほしい。
・袋入りのグラスウールは使用を避けたい。

アイ工務店はどちらも大体満たせています。

めっちゃ高性能というわけではないですが、省エネ区域6地域のZEHクラスを余裕で満たせるぐらいの性能はあります。

大手ハウスメーカにも引けを取らないといっても過言ではありません。

温熱環境で大事な窓ですが、アイ工務店は標準で以下の窓が使用できます。

APW330(ペアガラスの樹脂サッシ)
サーモスX(ペアガラスのアルミ樹脂複合サッシ)

以下の記事で窓の話はしました。

窓のお話①:サッシの材質について
窓のお話②:ガラスについて

これらの記事では値段と性能のバランスからペアガラスの樹脂サッシをお勧めしましたが、それに該当するAPW330が使用できます。

樹脂サッシはオプションという会社も少なくないですが、アイ工務店ではこれを標準で使える点は優れていると思います。

1点気をつけたいのが、アイ工務店標準のAPW330はスペーサーという窓と窓の間に挟む材料がアルミなことです。

この部分だけ熱を通しやすくなるため、結露の原因になる場合があります。

予算に余裕があれば樹脂スペーサー仕様に変更するか、思い切って真空トリプルガラス仕様にグレードアップするのもありかと思います。

サーモスXもアルミ樹脂複合サッシの中では比較的温熱面で優秀な窓です。

省エネ区域が6地域以下であれば採用しても問題ないと思います。

5地域以上だと結露が気になるかもしれません。

気密性

アイ工務店は全棟気密測定をしておりませんが気密性を売りにしており、チラシにC値0.5と謡っていることがあります。

また、客の要望があれば気密測定に難色を示すことはありません。

むしろアイ工務店公式ブログではちょくちょく気密測定をしていることを記事にしていますし、気密測定を実際に行う構造見学会も行っています。

私も気密測定をしていただきましたが、結果はC値0.27とかなりの高気密でした。

ツイッターやブログでも、C値0.3~0.4台を出しているのを見かけます。

以下の記事で気密性の話はしています。

気密性について①:C値と基準

換気のことを考慮するとC値は1.0以下が好ましいことを述べましたが、その点でいえばアイ工務店は全く問題ありません。

気密測定自体は任意ではありますが、できればやることを推奨します。

換気システム

アイ工務店ではダクトレス第3種換気ダクト式第1種換気を選べます。

第1種換気だと熱交換機能付きのパナソニック製のもので、熱交換率はおおよそ75%前後。
そこまで高性能なものではないですが、第3種換気よりも給気の不快さを低減できます。

第3種換気だとルフロ400です。

以下の記事で換気システムの話をしました。

換気システムの種類について

どっちがいいのか迷うと思いますがざっくりと以下のように考えてください。

より快適性を求める場合は第1種換気
メンテナンスのしやすさや維持費を抑えるなら第3種換気

一長一短ですので、自分の暮らし方で選びましょう。

温熱環境の総括

ここまでで温熱環境に関する仕様を挙げましたが、総括すると「省エネ区域6地域以下であれば快適に過ごすのに必要な断熱性能を有している」といったところでしょうか。

断熱材厚みは高断熱の最低限くらい
窓は標準で樹脂サッシのペアガラスを採用可能
熱交換機能付きの第1種換気を採用可能
気密性はC値で0.5を切れるぐらい

私が今までの記事で述べてきた最低限ほしいところはすべて抑えている印象であり、極上の快適さとまではいかないですが、エアコンで充分快適に過ごせるでしょう。

UA値はカタログスペックで0.5程度をうたっていますが、窓を少な目にすることで0.46と省エネ区域6地域のHEAT20G2グレードを目指すこともできます。
(UA値は必ずしも快適性を保証するものではないのでこだわりすぎても意味ないですが)

もう少し断熱性能を強化したいなら、窓をトリプルガラスにしたり、屋根や床下断熱の厚みを増やすのもいいでしょう。

耐震性

アイ工務店は複雑な間取りでなければ標準で耐震等級3になるように設計してくれます。

計算法は一番条件が厳しい許容応力度計算ではなく、品確法に基づいた計算ですので、可もなく不可もなくといったところでしょうか。

一応、追加費用は掛かりますが許容応力度計算も対応できるようです。

以下の記事で耐震性の話をしました。

耐震性を確実に確保するなら許容応力度計算を

大手メーカが良くやるような大開口の窓を採用したり、柱のない広々としたリビングのような間取りは標準仕様では厳しいかもしれません。

また、品確法で耐震等級3になるように設計はしてくれますが、認定はとってくれないため、地震保険の割引や長期優良住宅に認定してもらうためには追加費用が掛かるようでした。

標準仕様でも悪くはないですが、もっと耐震性を確保したいという人は許容応力度計算をしてもらうといいでしょう。

屋根

屋根は標準でスレートを使用できます。
また、屋根の下に敷くルーフィングは改質アスファルトルーフィングです。

瓦とスレートでしたら、私は圧倒的にをお勧めします。

スレートは耐用年数が30年ほどですが、10年ごとに補修や再塗装が必要になるので維持費がかかります。

対して瓦は耐用年数が60年近く、メンテナンスもほとんど不要です。

瓦のデメリットとして重くて耐震性に不利というのはありますが、瓦を採用する前提で設計をしてもらえば問題ありません。

また、本来であれば瓦のほうがイニシャルコストがかかるようですが、アイ工務店では標準で採用できるため瓦でもスレートでも費用が変わりません。

上記の理由から、屋根材は瓦を選ぶことをお勧めします。

外壁

外壁は標準でニチハのFUGEプレミアムが使用できるようです。
(私の時は通常のFUGEでした)

いわゆる窯業系サイディングと呼ばれる最も一般的な外壁材ですが、その中でも比較的グレードが高めの外壁です。

変色に強く、汚れも雨と太陽の光である程度勝手に落ちるようです。

仕様の詳細は公式HPをみるといいと思います。

屋根と外壁について私は記事を書いていないのですが、同じくコダテルのChelseaさんが過去に掲載した記事が参考になると思います。

ローコスト住宅でも「出来れば避けたい」設備、建材4選

水回り

私の時は標準でTOTO、Panasonic、タカラスタンダード、LIXILから選択ができました。

キッチンはミッテ、ラクシーナ、オフェリア、リシェルSIから選択。
洗面所はオクターブ、CLine、エリシオ、MV
お風呂はサザナ、オフローラ、リラクシア、アライズ
トイレはNJ、アラウーノ、ベーシアハーモ(トイレだけタカラがありません。)

グレード的には最上位から一つ下くらいの物を採用できるイメージです。

この辺りは支店ごとにかなりばらつきがあると思うので、詳細な仕様は各支店の営業さんに聞いちゃいましょう。

また、給湯設備は標準でエコキュート、エコジョーズを採用できます。

ガス併用にしたい人も、オール電化にしたい人も対応可能です。

内装

内装のグレードは全体的にそこまで高いものではない印象です。

壁紙はサンゲツビニールクロス、床材はPanasonic、DAIKEN、EIDAIの合板フローリングが標準でした。

支店によってはDAIKENのトリニティと呼ばれる床材が標準で採用できるところもあるようですが、個人的にお勧めの床材です。

トリニティは無垢フローリングではないですが、1枚1枚幅が広く、表面も無垢のような仕上がりのため非常に高級感があります。

価格

価格については変動する要素が多すぎて正確なことは言えませんが、私が契約した時の感覚でお話します。

他社と比較するとCMで見かけるような大手よりはかなり安いですが、いわゆるローコストメーカよりは少し高くなると思います。

その分、ローコストメーカよりは全体的にハイグレードな仕様になっています。

標準仕様で総二階だとおおよそ以下のような感じだと思います。

延床面積(坪数)×60万+諸費用200~300万程度+外構費
これに消費税を掛けると大体の土地以外の価格になると思います。

ただし、オプションによっていくらでも価格は変わります。
そもそも私が契約した時の感覚で書いているので、実際はもっと違うかもしれません。

この記事を書いている時点で、ウッドショックや半導体不足で色々なものの価格が上昇していると聞きます。

建物全体の価格でいえば、上記の計算式より200~300万は大目に見積もっておくといいでしょう。

メーカ選びの参考程度にしてください。

また、ローコストメーカはオプションを採用すると結構高めの費用を取られる印象ですが、アイ工務店もその傾向にあることは留意してください。

終わりに

今回はアイ工務店の標準仕様について書いてみました。

全体的な印象として性能面は大手に引けを取らないくらいですし、価格面は大手に比べるとかなり抑えられています。

ただし、価格が安い分、大手のように独自の建材はありませんし、サービス面も大手ほどではない印象です。
おしゃれな家づくりをしようとすると、施主自身の努力が必要になるかと思います。

ただ、価格に対する性能面は優れていると思うので、そちらを重視したいけど価格も抑えたいという人にはお勧めです。

今回は建物自体のお話をしましたが、今度はアイ工務店との家づくりがどんな感じになるかも記事にしたいと思います。

本記事と併せて、業者選びの参考にしてください。

では。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

2020年2月からアイ工務店と一緒に建てたマイホームに居住中。 家の中が寒いのがいやだというところから家づくりを開始した結果、高断熱高気密という言葉に出会う。 以降、いろいろ調べているうちに高断熱高気密の沼にはまり、使者を自称するようになる。