ソーラーパネルについて②:発電量を予測する

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クロセの記事を読むのが初めての方は、まずこちらの記事をお読みください。

 

ども、クロセです。

前回の記事ではソーラーパネルのメリット・デメリットについてお話しましたが、導入するかどうかは「10年以内に元が取れそうなら導入を検討してもいい。」と述べました。

そのためには10年間の発電量を予測する必要がありますが、どう計算したらいいのか?

今回はソーラーパネルを10年間運用した場合の発電量とそれによる収入を予測計算をしてみようと思います。

今回発電量を推測・計算するにあたって、以下のサイトの情報を参照しています。

太陽光発電総合情報
https://standard-project.net/solar/

ソーラーパネル情報が多数掲載されており、特に発電量が大体わかるのが便利です。
ただ、各種費用の情報はあまりあてにしないほうがいいかなと思います。
(業者によってかかり費用は結構違いますし、ここ数年で相場の変化もあるでしょうしね。)

発電量から損益分岐点を計算する

では早速ですが発電量を計算し、さらに発電量から損益分岐点を計算してみましょう。

今回は式に我が家の情報を入れて計算してみます。

総発電量を求める

まずどれだけソーラーパネルを導入するか。
我が家は6.85kW導入しました。

次に1年間でどれくらい発電するか。
以下のページには地域ごとの「パネル1kwあたりの発電量」が記載されています。
https://standard-project.net/solar/region/

これは実測値の平均値のため、それなりに信頼のあるデータだと思います。
我が家は京都にあるため、パネル1kwあたりの発電量は1171kWhです。

これらの値を掛け合わせると1年間の発電量が計算できます。

先ほどの数値を入れると 6.85kW × 1171kWh = 8021kWh/年 となります。

というわけで、我が家では1年間で大体8021kWh程度発電するという結果になりました。

この値をもとに10年分の発電量を推測するのですが、ソーラーパネルの発電量は年々低下するため、単純に10を掛けると実際の発電量より多めの結果になります。

そこで経年劣化の値を掛ける必要がありますが、下記ページのデータをみると10年間で10%ぐらい劣化すると見込んでおけば問題ないと思います。
https://standard-project.net/solar/jyumyo.html

一応、タイプによって劣化具合が異なるので確認しましょう。

10年間で10%なので、1年目の発電量を100%ととし、毎年1%ずつ下がると考えた場合、10年間の総発電量は以下の式で求められます。


私の数値を当てはめると8021 × 10年間 × 95.5% ≒ 76600kwh

この値が、我が家が10年間の発電量を予測した値です。

発電量から収入を計算する

発電量がわかれば、そこからおおよその収入を計算できます。

計算方法としては大きく分けて以下の2パターンが考えられます。

①FIT買い取り額から簡易的に計算
②FIT買い取り額と自家消費を考慮して計算

それぞれ説明していきます。

①FIT買い取り額から簡易的に計算

FIT買い取り額からざっくりと求める場合は以下の式で求められます。



FIT制度の買い取り価格は契約年度で変わりますので、担当者に問い合わせてください。
(詳細な価格決定のタイミングはちょっと把握できていないです…)

私の場合は1kwhにつき24円でしたので 76600 × 24 ≒ 184万円 となります。

設置費用がおおよそ184万円以内であれば元が取れる計算になりました。

②FIT買い取り額と自家消費を考慮して計算

先ほどは発電した電気を全部売る前提で計算しましたが、実際には自分で消費する分もあると思います。

その分も考慮してみましょう。

まず、自家消費で使う分を計算し、総発電量から差し引く必要があります。

ここのページを参考にすると、4.5kwhのパネルを設置した場合、おおよそ総発電量の3割が自家消費量になるようです。

実際にはパネルの総量や家庭の状況で昼間に自家消費する電力量は大きく変わりますが、今回は自家消費分を仮に3割と考えます。

自家消費分の価格は使う予定の電気会社から参照します。

今回は京都でLooopでんきを使う前提で計算します。
(電気単価が使う量に左右されず常に一定で計算しやすく、全国的に展開しているため)

Looopでんきは22.4円/kwhです。
そしてFIT買い取り額は24円/kwhです。

10年間の総発電量が76600kwh、自家消費が3割とすると、損益分岐点は以下のように計算できます。



この式に数値を入れると 76600 × 0.3 × 22.4 + 76600 × (1-0.3) × 24 ≒ 180万 となります。

つまり設置費用が180万以内であれば元が取れる計算です。

①で算出した値より少し収入が下がりましたが、今はFIT買い取り額が下がっています。(2022年時点で17円/kwh)。

これから導入する人は自家消費の割合を増やしたほうがお得でしょう。

余談ですが、主にオール電化で「日中の電気代は高く、深夜は安い」という電気料金のプランがありますが、ソーラーパネルを設置することで晴れた日の日中は高い電気代を払う必要がなくなります。

ソーラーパネルを設置する場合は、自家消費とこういったプランを組み合わせることで光熱費を抑えることができますので、ソーラーパネル設置時は電気会社やプランも吟味してみてください。

補助金も計算に入れる

ZEHやLCCMの補助金がもらえるなら、さらに損益分岐点を増やすことができます。
(ZEHについてはいずれ別記事で詳細を説明します。)

私の時はZEH補助金を70万円もらいました。(2022年時点で55万)

これを先ほどの自家消費を考慮した計算に加えると180万+70万で250万です。

つまり、ソーラーパネルの設置費用が250万以内であれば10年で元が取れる計算です。

撤去費用やメンテナンス費用も考慮したほうがいいか?

ソーラーパネルは壊れてしまえば撤去するということもあるし、故障やパワコン(発電した電気を家庭で使えるようにする設備)の寿命など設置費用以外もかかってきます。

撤去については最悪壊れた後も載せたままにしておくという選択も取れます。

また、パワコンについてはおおよそ15年ぐらいで寿命が来るようですが、10年で元が取れるように計算しておけば、15年目にはメンテ費用を加えても十分に元が取れているかと思います。

どちらも対応できるように余裕をもって計算しておきたいですが、10年で余裕をもって元が取れるようにしておけばそこまで心配する必要がないというのが私の考えです。

実際の発電量はどれくらいか?

計算では1年でおおよそ8000kWhほど発電する結果でしたが、実際はどれくらいかというと…


おおよそ7300kWh程度でした。
1割ほど低いですね(;´∀`)

一応これには理由がありまして、下の写真は私の家の屋根です。


赤丸の箇所に注目してください。

ソーラーパネルの向いている方向がちょうど南ですが、左側の屋根が高いせいで、昼以降は西からの光が当たりにくく発電量が大幅に下がります。

上記の理由から、平均的な発電量から計算した値より低いわけですね。

日射の条件によって発電量は結構変わってくるため、日射が当たりにくいとわかっているときは少し余裕をもって計画すべきでしょう。

ちなみに南向き以外だと発電量は落ちますが、特に北向きだと南向きと比較して発電量が6~7割程度になるようです。

南から日射が期待できなかったり、南向きに設置することが難しい場合は、無理につけることはないでしょう。

終わりに

今回は発電量と損益分岐点を計算する方法を書いてみました。

前回の記事でも述べていますが、私はソーラーパネル設置で大事なことはデメリットを把握することと元が取れることだと思っています。

予測で計算した売電額と、業者から提案されたソーラーパネルの設置費用を比較し、メリットがあるかどうか充分に検討してみてください。

次の記事ですが、引き続きソーラーパネルの話をする予定です。

10年経つと卒FITとなり売電額が大幅に下がりますが、その時に施主ができる対策を書いていこうと思います。

では。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

2020年2月からアイ工務店と一緒に建てたマイホームに居住中。 家の中が寒いのがいやだというところから家づくりを開始した結果、高断熱高気密という言葉に出会う。 以降、いろいろ調べているうちに高断熱高気密の沼にはまり、使者を自称するようになる。