クロセの記事を読むのが初めての方は、まずこちらの記事をお読みください。
ども、クロセです。
私の記事を見てくれているということは、断熱性や気密性について少しずつ興味を持っていただけるのではないでしょうか?
これまでに断熱性や気密性を上げていくことのメリットについて説明してきましたが、今回はそれらの基準を表す数値について書いていこうと思います。
というわけで今回はUA値、Q値のお話です。
高高住宅を語る人が好きな数値ではないでしょうか笑
Q値は現在では基準として使用されなくなったため知らない人も多いと思いますが、UA値は何となくでも聞いたことあるという人がいらっしゃると思います。
最近だとタマホームのCMにUA値が使われていましたね。
Q値は個人的には一条が広めた印象です。
さて、これらの値はどちらも断熱性を示した値ではありますが、何を示しているかわからない方も多いかと思いますので、さっそく解説していこうと思います。
詳細な話をしても多分わかりにくいと思うので(というか私も正しく話せる気がしないので)感覚的な話をしたいと思います。
UA値とは?Q値とは?
細かいところは違いますが、UA値もQ値も家の断熱性(熱の通りやすさ)を示しており、値が低ければ低いほど断熱性が高いということになります。
例えばUA=0.3とUA=0.5という値がありましたら、UA=0.3のほうが断熱性が高いと言えます。
ではもう少し具体的に何を示しているのか書いていきましょう。
まずはUA値について。
UA値の正式名称は「外皮平均熱貫流率」と呼ばれています。
これだけじゃ全く意味が分かりませんね。
UA値とは家の壁、屋根、窓などの外周部分の熱の通りやすさを平均化したものです。
図にすると以下のような感じでしょうか?
次にQ値について話しましょう。
Q値の正式名称は「熱損失係数」と呼ばれています。
これもこのままでは意味が分かりませんね。
UA値は家の外周の熱の通りにくさを表したものでしたが、Q値はそれに加えて換気によって逃げる熱や、家の形による熱の逃げやすさも考慮した値です。 これも図にしてみましょうか。
UA値と異なり、Q値は換気による影響も加わりました。
Q値のもう1つの特徴である「家の形による熱の逃げやすさを考慮する点」も説明しておきましょう。
屋根と壁の断熱性能がすべて同じと仮定します。 その場合、UA値はいかなる形状でもすべて同じ値になります。 (各形状は屋根側からみた間取りです)
なぜならUA値というのは外周部分の熱の逃げやすさの「平均」だからです。
今回は前提として「屋根と壁の断熱性能がすべて同じ」と仮定しているので、どんな形状の家でもUA値は同じになるのです。
こちらは形状によって変化し、間取りが細かったり複雑だったりするとQ値が大きくなる(断熱性が低くなる)傾向にあります。
以上でUA値とQ値の説明を終わります。
まとめますとこんな感じです。
UA値:外周部分の熱の通りやすさの平均値
Q値:外周部分、換気、家の形状による熱の逃げやすさを示した値
この時点で何となくわかるかと思いますが、基本的にはUA値よりもQ値のほうが、より家の断熱性能を正確に示しているといえます。
しかし、理由はよくわかりませんが現在では基準もカタログスペックもUA値が使われることがほとんどです。 (温熱設計にこだわったメーカはQ値を出してくれる設計士もいますが)
こうなってしまった理由について色々噂はあるようですが、正確な情報はわかりませんのであえてそこは言及しません。
UA値・Q値が快適さや光熱費減の保証にならない理由
UA値とQ値で微妙に違いがあるものの、いずれも家の断熱性を示す値であることがわかりました。
これらの値は家の快適さに深くかかわるため重要な値ではありますが、これらの値がどんなに低くても必ずしも快適さや光熱費減の保証にはなりません。
なぜなら、温熱設計には断熱性以外にも影響する要素があるからです。
思いつくだけでも以下のような項目があります。
・断熱材のバランス:同じUA値・Q値でもどのように断熱材を配置するか?
・窓の性能:壁の断熱性が高くても窓の性能が低くないか?
・漏気による熱損失:隙間によってどれだけ熱損失があるか?
・エアコンの配置:エアコンの風がどのように流れているか?
・換気の種類:熱交換機付きの換気扇を使用するか?
素人の私が思いつくだけでもこれだけの要素が思い浮かぶわけですが、これらを考慮しつつ、自分たちの生活スタイルに合った最適な間取りを考えるのは素人には無理だと思います。
そのため、私は前から温熱設計は自分ですべきではなく、プロに任せるべき。
そして家に関する知識は優秀な業者を探すために使うべきといっているのです。
終わりに
今回はUA値とQ値を簡単に説明してみました。
ざっくりと以下の点を把握いただければいいかなと思います。
・UA値よりもQ値のほうがより正確な断熱性を示している
・家の温熱設計はUA値、Q値以外も考慮する必要がある。
しかし、これだけではカタログスペックに表示されている数値が高性能かどうか判断できませんので、次回の記事ではそのあたりを説明していきたいと思います。
一度にたくさんの情報を入れても混乱するだけだと思いますので、少しずつお互いに学んでいきましょう!
では。
質問がある方は、下のコメント欄やプロフィールにあるツイッターなどからいつでもお問い合わせください!
また、アイ工務店に関する情報を知りたい場合は、プロフィール欄にあるブログのほうに多数情報を記載しております!