高高住宅のメリット①:室温を維持しやすい

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クロセの記事を読むのが初めての方は、まずこちらの記事をお読みください。

さて、前回の記事では高断熱高気密(以下「高高住宅」)バカになってはいけないという記事を書かせていただきました。

高高住宅はいいものですが、そこにのめりこめすぎて他がおろそかになってはいけません。
土地、利便性、性能など様々な面を考慮した家づくりを進めていただきたいです。

一方で、上記を考慮しても高高住宅は住む人にとってメリットが大きいというところまで伝えましたが、今回の記事からは具体的にどういったメリットがあるかを何回かに分けてお伝えしたいと思います。

では早速ですが、メリットについてお話していきたいと思います。

高高住宅は熱を通しにくい

高高住宅は熱を通しにくい家です。
ハウスメーカのホームページでは「魔法瓶のような家」と説明されることが多いと思います。
「いらすとや 魔法瓶」の画像検索結果 夏は外気の暑さを防ぎ、冷房の効きを良くします。
冬は室内の熱を逃げにくくし、寒さを防いでくれます。

時々、高高住宅は熱が逃げないので夏は暑くなると説明される方はいますが、正しく設計がされていればむしろ涼しく過ごすことができます。
(これについては別記事にてそのうち説明します。)

しかし、この夏涼しく冬暖かいという特性は高高住宅の表面的なメリットでしかなく、本当に重要なのはその先にあると思っています。

ではそれらのメリットについて説明していきたいと思います。

エアコンの負荷が小さくなる

熱を通しにくいということは、小さなエネルギで冷暖房ができるということになります。
つまり、エアコンの負荷を減らすことができます。

エアコンの負荷が減るということは、光熱費を減らすことができますし、エアコンも大容量のものが不要になります。

エアコンは大容量になるほど価格が上がりますから、光熱費と合わせてランニングコストを抑えることができます。

高高住宅を知らない人には信じられない話かもしれませんが、ハイレベルな高高住宅になると6畳用のエアコン1~2個で、延床30坪程度の2階建ての家全体を空調できます。

それでいて室温を冬は低めに、夏は高めに設定しなくても、冷暖房費用は一般的な家より抑えられるのです。

冷暖房費用が小さければ、24時間冷暖房をしてもそこまで光熱費がかからなくなります。
寝ている間に冷暖房を止める人も多いかと思いますが、夏の場合は暑さによる睡眠不足、冬の場合は冷たい空気で肺やのどを痛めたり風邪の原因になったりします。

高高住宅で24時間冷暖房をすることで、光熱費を抑えつつ、体調不良も減らすことができるでしょう。

また、エアコンの負荷を抑えられるということは、エアコンの風を抑えることができるので、直接風に当たった時に感じる不快感も抑えることができます。
間取りがしっかり考えられていれば、ほとんど風を感じないエアコン配置も可能でしょう。

余談ですが、高高住宅でもある程度はエアコンで空調する必要があります。
冬には熱を出し、夏には冷気を発するような魔法のようなものではないのです。

エアコンを使ってこその高高住宅ですので、そこはケチらないように使っていきましょう。

温度バリアフリーを容易に実現しやすい

バリアフリーといえば段差が少ないとか、通路が広いといったものを想像されると思いますが、そもそも温度バリアフリー」とはなんだと思いますでしょうか?
(ほかにも温熱バリアフリーなどとも呼ばれます)

ざっくりいえば、部屋ごとの温度差が限りなく小さく快適な状態を示します。

一般的な家でこれをしようとするとエアコンの数も必要ですし、冷暖房費もかなり高くなりますが、高高住宅であれば普通の壁掛けエアコン1~2台で実現できますし、光熱費もそこまで高くなりません。

この「温度バリアフリー」がもたらすメリットは大きいです。

単純ではありますが、真夏の暑さ真冬の寒さというのはそれだけで体への負担となり体調不良の原因になります。
どこに行っても快適な温度であることは、それだけで日々のストレスが減ります。(体験談)

また、部屋ごとの温度差によって発生する精神的・身体的ストレスも低減されます。
特に冬の間は廊下やトイレ、お風呂が寒いと精神的にもしんどいですし、体にも大きな負担がかかっています。

温度差による身体的な悪影響でよく聞くのが浴室内でのヒートショックの話でしょう。「ヒートショック イラストや」の画像検索結果 ヒートショックとは急激な温度差により体に悪影響(失神、心筋梗塞、脳梗塞など)を及ぼす症状ですが、入浴時ですと「温かい居室→寒い脱衣所と浴室→熱い浴槽」という温度変化でヒートショックを引き起こします。

ヒートショックとはちょっと異なりますが、浴室が寒いのでお湯を温かくしすぎてしまい、熱中症で倒れるという話もあります。(むしろ近年ではヒートショックではなく熱中症が浴室での死亡の主原因ともいわれています)

これらの症状に対して、温度差が発生しない温度バリアフリーは有効な手段です。

さらに、冬の間に家の中で厚着をする必要がなくなりますので、着衣によるストレスから解放されます。

一説によれば人間が衣類から受けるストレスは想像より大きく、高高住宅ではその衣類を減らせられるのでアトピーが改善すると述べる方もいらっしゃいます。(あくまで一説ですが)

色々と書きましたが、温度バリアフリーは精神的にも身体的にも快適です。
朝起きて寒さで起きられないなんてこともないですし、寒さで震えて体がこわばることもない、子供が風呂上りに裸でいても問題ない、どこでも快適なので部屋や廊下を広く使えるなどなど…

考えれば考えるほど、温度バリアフリーがもたらす恩恵は大きいと思います。

複雑な間取りでも快適な空間に

例えば以下のような2つの形状の間取りがあったとします。
この時、図の右のような「複雑な形状」の間取りを採用してしまうと、熱の出入りがしやすくなってしまう(断熱性が低くなる)のです。

ただ、少しこだわったデザインの家にしようとすると、家を凹凸させたいという人はそれなりにいるようです。

そんなとき、高高住宅の家であれば多少複雑な形状の家をしていても快適性を保つことが可能です。

「デザイン」と「性能」は相反するものとして扱われることがよくありますが、私はむしろこれらは両立すべきものだと思います。

終わりに

今回は高高住宅のメリットの1つである「室温を維持しやすい」ことについて解説してみました。

表面的なメリットは「快適な室温を得られやすいこと」「光熱費の抑制」の2点ですが、掘り下げると様々なメリットが見えてくると思います。

今回は高高住宅のメリット①ということで、次回も引き続きメリットをご紹介したいと思います。

またまた余談ですが、ドイツをはじめとした欧州諸国では室温が一定以上で保たれることは人権であるとしており、一定以上の室温に保つことを法令で定めています。

それだけ健康のために快適な温度で暮らすことは重要だといえるでしょう。

では。

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ABOUTこの記事をかいた人

2020年2月からアイ工務店と一緒に建てたマイホームに居住中。 家の中が寒いのがいやだというところから家づくりを開始した結果、高断熱高気密という言葉に出会う。 以降、いろいろ調べているうちに高断熱高気密の沼にはまり、使者を自称するようになる。