こんにちわ。
三級うんちく士です。
今回も前回に引き続き「コタエル」の質問に回答していきます。
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今回の質問
娘夫婦の注文住宅新築です。契約直前です。
基礎について、どうしても気になるので質問させてください。
概算予算の基礎工事には、ベタ基礎シングル配筋300ピッチとだけ書かれておりますが、300で大丈夫なのでしょうか。
雪も30センチくらいは積もる時もあります。
一部二階建てで、1F100.61㎡、2F24.22㎡、屋根は勾配ある陸屋根、外壁はサイジングです。
一階の基礎面積が大きいから、安く上げるため、300ピッチということなのでしょうか?
ということです。
ご質問の件については、鉄筋のピッチ(間隔)が300mmである(=鉄筋の間隔が広い)ことに不安を抱いているものとお察しいたします。
ちなみにこの300mmという鉄筋の基準については、国土交通省が示す基準に準拠しているものになりますが、示された基準の最大値(間隔の限度)ギリギリになっています。
そのあたりが不安になっている原因でもあるかと思います。
話の前提にもなってきますので基準については、こちらをご確認ください。(外部サイト)
〇建築基準法施行令38条
〇建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件(PDF)
余談になりますが、上の写真は150mmピッチで設計されているのにもかかわらず150mmを超えて施工された部分で是正ポイントになります。
この場合には単なる設計図書との不適合になりますが、300mmピッチで設計された場合には法令に定められた基準に反することになりますので注意が必要になります。
なお、いずれの場合にも配筋検査などの過程で手直しすれば問題ありません。
質問の回答
まず回答の前に基礎が基礎として大丈夫なのかという点については、鉄筋のピッチ(間隔)だけではなく・地盤の状況(地質など)
・コンクリートの強度(配合)
・根入れ深さ(基礎の地中の埋設深さ)
などなど(これだけではありません)色々な条件を満たして初めて基礎として構造耐力上の安全が満たされるものになります。
詳細な部分については書ききれませんが、地盤の状況を勘案したり、申請上の特例を使うのか否かなど基礎の検討は、様々な条件のもと行われます。
したがって、質問の300ピッチ(間隔)であるという情報だけでは大丈夫なのかという点について結論を出すことはできませんが、前述した条件など設計上の検討を経て導き出された結果として300mmというピッチ(間隔)であるという状況であれば問題はないのではないかと思います。
が、こちらも施主様がどのようなものを目指しているのかというゴールが分からないので、あくまで基準を満たせるかどうかという設定での回答になりますことをご了承ください。
なお、これについては、担当されている建築士の設計を信じるしかないという部分でもあります。
また、現在の建材市況からご質問にあるような価格を抑えるための措置であるかどうかという部分については、概算予算の時点ということですので、ピッチを変えた場合の概算予算(見積り)などを確認してみるのも良いかと思いますが、実際そうであったとしても本音を引き出すのは難しいのではないかと思います。
施主側からアクションを起こす
不安であるならばまずは、詳細な説明を求め、わかりやすく説明してもらいましょう。そのほかの手段として、セカンドオピニオン的に第三者に評価を依頼することを検討しても良いかと思いますが、人と人とのやりとりになりますので施主と業者さんとしての関係に悪い影響を及ぼす可能性もあるのでこのあたりについては強くはおすすめしません。
あくまでお互いの認識(理解)を深め合う作業であるという感覚(意識)で良いと思います。
これらのやりとりで曖昧な説明しかできない場合には、ほかの部分でも曖昧であったり、お互いの認識(理解)を深め合うという姿勢が無いということも言えると思いますのでそのような場合にはそもそも家づくりに必要な根本的な部分が建てる側として不足している可能性も出てきます。
まとめ
家づくりでは、どんな材料や製品を使うのかを決定するだけの単純作業だけではなく、その過程で施主と業者さんの意思の擦り合わせてお互いの認識(理解)を深め合う時間でもあると思います。言い方を変えると家づくりでは大きな決断が迫られる部分もあると思いますので、施主として納得して一緒に家づくりをしていけるパートナーにできるかどうかを確認する場面であるかもしれません。
いずれにせよ、家づくりをされるのは、娘様ご夫婦であると思いますので、家づくりの過程において逆に不安を募らせることのないようなことがないよう程良いスタンスでフォローしてあげるのがいいのではないかと思います。
誰でも家づくりには不安がつきまとうと思いますが、娘様ご夫婦の家づくりが成功されますよう祈念いたします。
ということで今日はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございます。