窓のお話②:ガラスについて

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クロセの記事を読むのが初めての方は、まずこちらの記事をお読みください。

 

ども、クロセです。

前回の記事では窓が家の温熱に大きく影響することと、窓の性能を決める要素であるサッシの材質についてお話をしました。

そこの記事でも述べたとおり、コスト・性能・メンテナンス性の観点から私は樹脂サッシを推奨します。

今回は窓の性能を決めるもう1つの要素であるガラスについて、注意したい点を色々書いていこうと思います。

ガラスの枚数

現在の標準的な窓は、以下の画像のようにガラスが2枚入っていることがほとんどです。

YKKapのHPより参照

これは一般的に複層ガラスペアガラスと呼ばれています。

古めの賃貸住宅ですと、ガラスが1枚しかない窓がありますが、これは単板ガラスと呼ばれており、性能が低いため現在の新築住宅にはほぼ使われない窓です。

まず提案されることはないと思いますが、これから新築される方で高高住宅を目指す人は間違いなく避けたほうが良い窓です。

また、ペアガラスより性能が高いトリプルガラスと呼ばれるものもあります。
下の画像を見ればわかりますが、名前の通りガラスが3枚あります。

APW 430 | 商品を探す | YKK AP株式会社 YKKapのHPより参照

ペアガラスよりも断熱性能が高いため、窓付近の快適さは上がります。
トリプルガラスを標準で使う業者は、断熱性への意識がかなり高いといえるでしょう。

ただし、デメリットがいくつか存在します。

ガラスが3枚のため単純に重く、特に掃き出し窓だと開閉が少し大変です。

また、ペアガラスに比べると日射取得率が少し落ちます。
日射を取り込みたい窓の場合(特に南側)は、あえてペアガラスを採用する人もいます。

そして何よりトリプルガラスの窓は価格が高いです。
(年々流通が増えて少しずつ安くなっているとも聞きますが)


断熱性が上がるといっても、ペアガラス→トリプルガラスの変更コストを断熱性でペイできるかというと現状では難しいとは思います。

以上のことから、コストと性能のバランスを考えるならペアガラス、多少重くてコスト的に高くてもより快適性を求めたい人はトリプルガラスを採用するといいと思います。

重さについては窓ガラスメーカのショールームでも試せるので、そこで感覚を確かめてみてもいいでしょう。

Low-Eガラス

Low-Eガラスとはガラスの表面に特殊な金属膜をコーティングすることで、断熱性(正確にはちょっと違うかも?)を向上させたガラスです。

最近のペアガラス窓の場合は、2枚のガラスのうち、どちらかにこのLow-Eガラスを使って性能を高めています。

YKKapのHPより参照

現在ではほとんどないと思いますが、高高住宅を目指す場合はこのLow-Eガラスが使われていない窓は、採用を避けたほうがいいと思います。
(というかいまだに一般的に流通しているのだろうか?)

日射取得型(断熱型)と日射遮蔽型(遮熱型)

ペアガラスやトリプルガラスの窓は、Low-Eガラスの配置によって、日射取得型(断熱型)日射遮蔽型(遮熱型)の2つのタイプが存在します。
(Low-Eガラスの配置と型の関係はここでは重要ではないので割愛します。)

それぞれ、以下のような特徴を持っています。
日射取得型(断熱型)複層ガラスの室内側ガラスをLow-E金属膜でコーティング。断熱性を高めています。
・日射を通しやすい
・断熱性能が低め
日射遮蔽型(遮熱型)複層ガラスの室外側ガラスをLow-E金属膜でコーティング。遮熱性にも断熱性にも優れています。
・日射を通しにくい
・断熱性能が高め

YKKapのHPより参照

日射取得型は名前の通り日射を取り込みやすいため、冬に日射を取り込んで暖かくしたい南側に配置されることが多いです。

対して日射遮蔽型は、明りのために日光を通したり景色を見るために配置したいけど、日射で暑くなってしまうのは嫌な場所に配置する窓です。

一般的には南側の窓を日射取得型、それ以外は日射遮蔽型にすることが多いと思います。

ただし、地形や近隣の環境によっては南側からの日射が取り込めないこともあり、一概に上記の配置が正しいとは言えません。

これらを考慮して窓を配置してくれる業者であれば、かなり温熱に関する意識が高いと思います。

ガラスの色にも注意

ガラスの色によっても性能が微妙に異なります。


YKKapのカタログから参照

このカタログ通りであれば、断熱性能が変わるわけではありませんが、日射取得率(日射の取り込みやすさで高いほど取り込みやすい)にかかわってきます。

上記のカタログの場合、日射が欲しい箇所には日射取得型(断熱型)のニュートラルカラー日射を避けたい場所には日射遮蔽型(遮熱型)のブルーカラーがいいということになります。

窓選定時にはこの辺りも考慮されているか確認しておくといいと思います。

より上位な仕様

ここまで説明したものより更に上位の仕様が存在します。

例えば、ペアガラスやトリプルガラスにガラスの間にアルゴンガスが封入されているのが一般的ですが、より上位のクリプトンガスが封入されているものがあります。

ガラスの枚数についても、トリプルまでは紹介しましたが、より上位だと4枚、さらにはLIXILのレガリスという5枚のガラスを使用した窓も存在します。

フレーム高性能化LIXILのレガリス
LIXIL HPより参照

ただ、これらは数が全く出回らないため価格が高くコスパが悪いと思います。
(一条工務店の窓は標準でクリプトンガス入りのため例外ですが)

現状では、存在はするけど完全に趣味や実験の世界だと思っておいていいと思います。

終わりに

前回に引き続き窓のお話をさせていただきましたが、ある程度必要な情報は網羅できたかなと思います。

前回のサッシの材質の話と併せると、窓は樹脂サッシのペアガラスかトリプルガラスが性能に対するコスパがいいかなあというのが私の結論です。

ペアとトリプルはどちらを選ぶか正直迷うところですが、そこは自分の予算と求める快適性に応じて選択していただけたらなと思います。

また、温熱のシミュレーションをしっかりしてくれる業者で、窓の性能による比較をしてもらうのがいいでしょう。
(私の記事の目的も、そこまでやってくれる業者を見つけるための情報提供ですしね)

地域によっても結論は変わるので、そういう意味でもシミュレーションをしっかりしてもらうのが大切だと思います。

では。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

2020年2月からアイ工務店と一緒に建てたマイホームに居住中。 家の中が寒いのがいやだというところから家づくりを開始した結果、高断熱高気密という言葉に出会う。 以降、いろいろ調べているうちに高断熱高気密の沼にはまり、使者を自称するようになる。