コダテルをご覧の皆さんこんにちは
積水ハウス施主のジルわこ(@gillwacohouse)です
注文住宅を建てる際に間取りと同じくらいよく向き合うもの
しかし間取りとは真逆で、ため息交じりで向き合わなければならないものがあります
そう、それは「見積書」です
注文住宅の検討において「叶えたい夢」と「予算」とのせめぎ合いは付き物です
しかも建築会社と契約する時点で、予算内で叶えたい夢を実現できそうかの判断をする必要があります
もちろん契約前の段階で詳細な仕様まで決まっていて、ほとんど見直しの必要のない精度の高い見積もりが出てくる
などということは、注文住宅の世界においてはまずないと思います
それでも、以下のような事について考えながら、契約に進んで良いかをジャッジしなければなりません
契約前の見積書チェックポイント例
- 概略見積もりの金額は妥当か?
- 別途見積もりの費用はどの程度か?
- 見積もりから抜けている項目は無いか?
- (諸費用など)見積もり範囲外で掛かる費用はどの程度か?
- (予算オーバーしているなら)減額可能なポイントはないか?
地盤改良で想定外の費用が!とか、外構費用が足りない!とか、しばしば耳にする話です…
これらの項目を確認しようと思うと、見積書の内容がどこまで詳細に書かれているか?
が一つ気になるポイントになってきますね
そんなわけで今回は私が実際に貰った、積水ハウスの契約時の見積書の内容を紹介していきたいと思います
Contents
見積書の構成
見積書は基本的に以下2つの項目で構成されています- 工事費内訳
- 工事内訳詳細
「工事費内訳」 ⇒ 躯体工事や設備工事などの項目の費用をまとめたもので、建築費用の総額が一目で分かります
「工事内訳詳細」⇒ 各項目の費用の詳細をまとめたもので、製品ごとの値段の記載があります
今回は見積書の項目を知っていただくことが目的なので、詳細な金額の公開は控えさせていただきます
一方で建築総額や各項目の総額、概略見積の金額、値引額などの大まかな数字は記載しています
なお、見積書の作成は2022年7月頃で、ちょうどウッドショックの影響が出始めたころのものです
現在では、仮に全く同じ仕様でも見積もり金額は変わっていますので、その点はご了承下さい
工事費内訳
まずはこちらをご覧ください見積書の内容をそのまま表に起こしていますが、細かい金額は塗りつぶしています(怪しげに見えますが…笑)
なお、青字は私が補足説明として追記したものです
また、見積書に記載された金額には基本的に消費税は含まれていません
積水ハウスの見積書では、大きく以下の6つの項目に分けて記載されています
1.躯体工事…基礎や構造体に関する費用
2.外部工事…屋根や外壁など、家の外観に関わる部分の費用
3.内部工事…断熱や内装など、家の内部に関わる部分の費用
4.設備工事…キッチンや風呂など、住宅設備に関する費用
5.付帯工事…太陽光やインフラ設備工事、外構工事など、1~4以外の家に関する費用全般
6.設計関連…設計業務費用
設計関連を除いた大項目には、最後に「諸費用」という項目があります
積水ハウスの建築費用には、「総額に対して8%の手数料」が掛かっており、その費用が諸費用にあたります
※付帯工事に関しては、諸費用が掛かっているのは「屋外給排水設備」と「ガス設備」のみのようでした
打ち合わせなどで設計さんや営業さんと費用の話をするときは、大抵この「諸費用」や「消費税」は含まない金額を前提に話が進むので注意が必要です
諸費用の8%と消費税の10%で、支払う金額としては18.8%余計に掛かるため、バカにならない金額となります
工事内訳詳細
この詳細は、項目によっては「その費用はどこのこと??」となるくらい細かいところまで書かれているものもあります契約時点で今回紹介するレベルで詳細が書かれているのは、積水ハウスの1社検討で契約を前提に打ち合わせを進めていたことも少なからず影響していると思われます
通常であれば、「概算見積」や「一式」で記載されるような項目がもっとあってもいいくらいかなと思っています
それを更に細かく見ていくと、今回紹介してるような項目になっていると思って、頭の隅に入れておいていただければと思います
躯体工事
躯体工事の見積もりの詳細は、工事費内訳の内容とほとんど変わりません
実際は基礎ならコンクリートや鉄筋の量、躯体なら構造用木材や金物の量などで決まっていると思います
ただ構造や工法は決まっているので、その詳細が分かったところで素人がとやかく言えることではないので、変に細かく書かれすぎても逆に混乱すると思うので、躯体工事に関してはこれで十分かなと思います
ここをコストダウンしようと思ったら、とにかく家の体積を減らすしかありませんね
外部工事
ここから内容が細かくなってきます
主に屋根、外壁、窓の3つの仕様についての詳細が書かれています
ほぼ採用している製品ごとに見積もりが細分化されているので、項目としては十分かと思います
内部工事
断熱材と内装、造作工事に関する詳細が中心です
個人的には断熱と内装に関してはもう少しだけ細かい内訳があっても良かったかなと思います
(金額の内訳は不明ですが、仕様に関しては別途仕様リストがあるので、そちらで確認できます)
造作工事は一から設計するので、通常、契約時点では概算として見ておくしかないかなと…
この概算見積もりは担当さんの経験次第なところがあり、見積もり金額は最初の想定からずれやすいですが、ある程度余裕を見て金額を設定してもらったほうが、後々金額上がったとはなりにくくて、精神安定上良い気がします
設備工事
設備関係全般の詳細が書かれています
項目が多くて混乱しがちですが、馴染み深い設備に関するものなので落ち着いて読めば内容は把握しやすいと思います
この辺は主に契約後に詳細を詰めていく項目になると思いますが、キッチンや風呂、トイレなど、主要な水回り設備に関しては、事前に当たり付けを済ませておくと、スムーズに契約後の打ち合わせが進められると思います
詳細な仕様検討まで実施しているわけではないので、見積もりの詳細としてはこの程度かと思います
電気工事の内容は打ち合わせすらまだしていない状況だったので、同じくらいの規模の家の例を参考に入れてもらっています
この辺もやや多めに設定されていて、なるべく後で金額アップにならないように、契約時点では見ています
付帯工事
付帯工事も内容は分かりやすいと思いますが、概略見積の項目が多いです
打ち合わせもしていない項目が多いので仕方がない部分ですが…
ちなみに最終精算の段階では、ほぼこの時の概算見積金額の前後に収まっていました
(こだわり次第では全然足りないという可能性も大いにあります^^;)
地盤改良工事の要否が特に金額への影響が大きいですが、必要になるかどうかは地盤調査が必要になります
なので契約後にようやく分かるという場合が多いと思います
依頼先の建築会社で、近くの土地で建てたことがあれば、その時の地盤調査結果などからある程度推測してもらうことはできると思います
設計関連
ここは内訳詳細は特に追加の内容はありませんいわゆる設計料になります
我が家の設計は、積水ハウスの「チーフアーキテクト」の方に担当していただきましたが、この費用は担当する設計士に関係なく固定となります
(設計する家の規模によって費用は上下するかもしれません??)
この金額が高いと思いか安いと思うかは人ぞれぞれあると思いますが、私は確実にこの金額以上の仕事をしてもらったと思っています(量的にも質的にも)
積水ハウスの値引き
見積書の中で幾つか値引きに関する項目が出てきましたが、積水ハウスの値引きについて紹介しておきます値引の種類は大まかに以下の3つに分けられます
※私が受けた値引きを勝手に分類しているだけで、他にもタイプがあるかもしれませんがご了承ください
1.割合値引
2.キャンペーン値引
3.メーカー協力値引
割合値引
「工事費内訳」の中で「出精値引」として書かれているものですこれは付帯工事を除いた建築費用の総額に対して一定の割引率をかけた金額になります
この割合は一律で決まっている訳ではなく、他社との競合状況だったり、支店の状況だったり、担当営業さんの頑張りによって多少前後してきます
今回のケースでは、積水ハウス1社検討で、値引に関する話も特にしていないため、ほぼ担当営業さんの心意気と頑張りによって得られた値引きになります
見積書の金額から割引率を計算してみると、「およそ4%」となりました(金額としては180万円)
なお、この割引率は契約後にも引き継がれ、契約後に増額となれば割引額も増え、減額となれば割引額も減ることになります
キャンペーン割引
これは文字通り何かしらのキャンペーンによる値引きです今回のケースでは、「ハウジングアドバイザリー特典」として躯体工事費用から30万円値引きされています
ハウジングアドバイザリー制度は、土地の調査や、設計士が付いてのプランニングなどを契約前から実施してくれるという制度です
申し込みに5万円掛かりますが、契約すればその5万円は費用の支払いに充てられますし、契約に至らなければ5万円は返金されます
特に申し込みしなくとも、普通に設計士が付いてプランニングはしてもらえたという話もよく聞くので、ある種の踏み絵的な、こちら側の本気度を確認する意味合いが強いのかなと思っています
とにかくこの制度の特典の一つとして30万円の値引きがあります
他にも時期や支店によって様々なパターンがあると思います
注意点として契約後に追加でキャンペーン適用することはできないので、契約前の段階で適用できるキャンペーンをしっかり適用しておくことが重要です
メーカー協力値引
家を建てるにあたって、様々なメーカーから設備や素材を仕入れている訳ですが、メーカーとの交渉で得た値引きがこれになります家を売っている会社は、基本的に各メーカーと何かしら価格協定を結んだ上で設備や仕入れています(と思います)
(年間でおたくからこれだけの量は仕入れるから、値引きできない?的な)
そのため、施主がハウスメーカー等を設備関係を購入する際も定価より安く買える場合があります(あくまで新築の時です)
例えば照明の打ち合わせにて、パナソニックやコイズミの照明は定価の30%OFFと聞きました
他の設備も同じようにある金額が割り引かれた金額で見積もられます
メーカー協力値引は、「今回これだけまとめて発注するから、もう少しお値引きできませんか?」とメーカーに協力を依頼するものです
今回のケースだと、キッチンや洗面台、照明などでパナソニックの設備を比較的多く採用していることもあり、キッチンに対して約25万円のメーカー協力値引をしてもらうことができました
(ここも基本的に担当営業さんの頑張り次第です)
今回の値引きの総額
今回の値引きの金額をまとめると以下の通りとなりました割合値引 :180万円
キャンペーン値引:30万円
メーカー協力値引:25万円
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合計 :235万円
値引きが受けられることはありがたいことですが、値引きが目的となってしまわないように気を付けたいですね
特に競合している場合、そもそも注文住宅は定価がなくて仕様もバラバラなので値引額で比べることにあまり意味はないと思います
(実態は分かりませんが、競合を意識して最初からマージンを積んだ価格設定にしておくことだってできてしまう訳ですから)
家のような超高額な買い物で1社検討をするのは、なかなかに勇気のいる決断だと思います(ある意味信頼の上に成り立っているとも言えます)
ですがそうすることに決めた別の理由があって、値引きが目的ではなかったと思います
今回受けられた値引きも、キャンペーン値引以外は、営業さんとしては正直頑張らなくともよかった部分かもしれませんが(競合がいないので)
予算オーバーを何とかしようと関係者一丸となって減額調整の検討をしていく中で、営業さんの権限でできることを最大限協力頂いた結果だと思います
見積書に含まれていない項目
建築工事の見積書の内容を紹介してきましたが、最終的に精算された見積書も、項目に関してはここから大きく変わることはありませんでした一方で建築工事全体に対する諸経費がここには含まれていません
具体的には登記申請費用、印紙代、火災・地震保険、ローン手数料などです
私の場合だとざっくり200万円の見積もりとなりました
予算に対する見積額と最終的な建築費用
見積書に対して、消費税と諸経費を考慮したトータルの建築費用の計算すると、、、5,390万円(建築費総額)×110% (消費税) + 200万円 (諸費用) = 6,129万円
土地代金を除いた予算額を5,300万円と設定していたので、約800万円の予算オーバーとなります…
実際は契約時点で減額調整の打ち合わせは進めていて、予算内に収める目途が付いたので契約書にサインをしています
最終的な建築費用は、個人ブログのほうでまとめていますので、よろしければこちらをご覧ください
おわりに
積水ハウスの契約時の見積内容について紹介してみました特に積水ハウスで注文住宅を検討中の方は、自身の見積書の項目と見比べてみて、抜けなどが無いかの参考にしていただければ嬉しいです