気になる人も多いであろう、注文住宅の値引きの話。
前回は、Twitterでアンケートを行い相場観を調査してみました!
今回は注文住宅の値引きに関して、現役の住宅営業さんに更に踏み込んで質問しています!
Contents
教えてくれたのは、大手ハウスメーカーの営業リーダーなぎまるさん!
現役で大手ハウスメーカーで営業リーダーをされていて、YouTubeチャンネルも運営されているなぎまるさんです!
なぎまるさんのYouTubeチャンネルはこちら☆
この動画では住宅ローンに関することが、幅広く、わかりやすくまとめられていて特におススメ✨
なぎまるさんは
✅大手ハウスメーカーの営業リーダー
(関わってきた物件数が多い)
✅YouTubeでお金に関する発信をされている
✅住宅営業向けのオンラインサロンを運営されている
⇒色々なメーカーの多数の営業さんとのお付き合いがあり、各社の事情に精通している
という方!!
そんななぎまるさんに、他社も含めた大手ハウスメーカーの一般的な値引き事情をお聞きしました!!
早速、スタート!!
社内で値引き率って決まっているもの?
社内で値引率って決まっているものでしょうか?
上限が決まっている会社が多いと思います。
するしないは自由です。
商品ごとに特別な値引きが認められていることもあると思いますし、木造と鉄骨、戸建てとアパートなど複数の構造がある場合は、利益の出やすい商品と出にくい商品があっても不思議はありませんから、それによって変えているということもあるでしょう。
隣同士の支店で値引きの額が大きく違うというのは考えにくいですが、支店長の方針によってさじ加減が変わることは大いにあると思いますね。
遠くの支店だと全く違う方針で動いていることもあり得ると思います。
そもそも首都圏と地方によって同一商品でもエリアによる収入格差や物流の関係で価格を変えている会社がほとんどだと思います。
社内で上限が決まっているものの、「商品によって」、「支店や地域によって」差がある可能性が高いそうです!
家づくりに関して情報収集する中で、値引きの情報を目にすることもあります。
それらは、あくまで「参考」にしかならないということ!
「ここにこう書いてあったからこれで!!」というのは難しい、ということがよくわかります!
最初の提示価格が値引きありきの上乗せ価格になっているという噂は本当?
これ、よく噂されますよね💦前回のアンケートでもおっしゃっている方がいました。
実際のところ、どうなのでしょうか・・??
担当者や会社によってはあると思います
私の勤め先では以前はありましたが、値引きのための上乗せは不誠実であり、仮に明るみになった時に大きな問題になることから出来なくなりました。
ある場合もあるんですね💦
これを聞くと、手放しで値引きを喜べないな、なんて思う人もいるかもしれません💦
値引きだけで決めない方が良い!!
当たり前のことですが、これに尽きるのではないでしょうか!
『キャンペーン値引き』は本当にお得?

「○○キャンペーンで、今月中だとこれだけの値引きが可能です!」などと契約を迫られるというのもよくあることかと思います。
けれど、「実はその値引きはその時だけのものではないから騙されるな!!」というような注意喚起も見かけます。
実際のところ、『キャンペーン値引き』ってどうなのでしょうか?
ぶっちゃけ8割営業トークですが、中には本当にお得なものもあります。
新商品の発表に合わせた全社的なキャンペーンや、社外の企業とタイアップしたプレゼント企画などは、本当にその期間だけの限定でかなりお得なものもありますね。
は、8割営業トーク!?
「騙されるな!」と言われる通り、その時期のキャンペーンと言われても、翌月になっても同条件で契約可能な場合もあるということですか?
次月も同じくらい出来るというケースも全然あると思いますよ!
ただ、直近で言えば多くの会社が毎月のように値上げをしているので、「来月は値上がりします」と言われているとしたら、それは多分本当です(笑)
ひぃ~!!値上げは本当!!
逆に、「本当にお得なキャンペーン」かどうか、見極める方法なんて・・ないですよね??
ぶっちゃけないですね
提携している家具メーカーや家電メーカーがプロモーションの一環として自社商品をプレゼントしてくれる場合、ハウスメーカーの負担なくその商品がプレゼントされるケースもありますが、見極めは至難の業です!
他にも
✅どうしてもその商品のシェアを拡大していきたい場合
✅営業のカンフル剤として身銭を切った施策
という事情でお得になりえるキャンペーンがあるそう。
ですが、目の前に提示されている値引きが本当にそうなのか、単なるキャンペーンとして行われているのかは営業の言葉を信じる以外に確認のしようがないとのことでした。
なぜ今、その値引きが行われているのか、納得いく説明だったかどうかを見極めるしかないのではないでしょうか

本当に得をしているのかどうかは、利益や原価などが記載された帳票を見ない限り、見積もりを見ただけでは同じ社内の方でもわからないそうです。
「極論を言えば、請負契約で沢山値引きしたと見せたあとに、間取りが変わるたびに数万円ずつこっそり高く伝えて押し返されても見積もりを提示されている側は確認のしようがないわけです。
単価の決まった設備ならいざ知らず、躯体や内装は一式でしか表記されないですからね。」となぎまるさんは仰っていました💦
『キャンペーン』という言葉ではなく、提示された価格や担当の営業さんの説明に納得できるかどうか、が大切ということです!!
一社検討より相見積もりの方が値引きしてもらいやすい?相見積もりで値引き率は変わる?
一社検討よりも相見積もりの方が値引きはしてもらいやすいのでしょうか?
会社や担当によって方針が大きく違うと思います。
私は物件ごと差をつけると面倒なので原則一律にしています。
提案と商品に自信を持っている営業は「向こうはこの金額なのでおたくも値引きしてください」と言われたら、むこうでどうぞ、と言うと思います。
相見積もりすることで、値引き率が変わることってありますか?
私は相見積もりだからといって、値引き率も変えません。
不公平だからというのもありますが、すごく正直なことを言うと物件が増えてくるにつれ、覚えてられないので一律にしています。
そもそも、相見積もりをしますと言われたら状況によっては断ることもあります。
限りある時間ですから、既にご契約いただけているお客様や私を気に入って頂けている新規のお客様を優先しますね。
確かにこれについては、会社や担当、先ほど出た契約時期(決算前か?)などの状況によっても差がありそうなことは予想出来ますね💦
「これが限界です!」は本当に限界なのか?
「値引きはこれが限界です!」というのもよくあるかと思いますが、これって本当なのでしょうか?
ケースバイケースですね。
限界ですと言いつつ、「この金額で納得しないなら無理に契約しなくて良い」と実質断られている可能性もあります。
提案力があり、仕事が正確で、経験豊富な担当者というのは、それだけ引き合いも多いです。
ルックスもスタイルが良くて、性格の良いモテる人みたいなものです。
そういう人はお客さんにも困ってませんので、無理に食い下がることはしません。
「限界です」=実質のお断りという可能性があることは、頭の片隅に置いておいた方が良いかもしれません!
本当にケースバイケースでしょうけど💦
営業さんからみて、値引きをしてでも契約したいと思う場合や相手は?

ほとんど無いですが、強いて言うなら、
✅物理的に値引きをしないと契約出来ない場合
(ローンが減額回答されるなどの事情で上限が決まってしまっており、それでも私に依頼したいとおっしゃっていただいているようなケース)
✅(自分の物件ではないが)部下が苦労して準備している様子を見ていた場合
などには値引きしてあげたくなってしまうことはありますね。
駆け引きをしてくるお客さんって、ぶっちゃけどうなんでしょうか?
正直、ある程度個人を評価してもらえるようになってからはあまりそういう経験が無いです。
駆け引きをされそうになったら、「駆け引きが嫌なので最初から限界値でお出ししています。信じてもらうほかありません。」
「引き渡すころには忘れてしまっている数十万の値引きよりも、一生感謝されるような提案をしますのでぜひ私にお任せ下さい。」と伝え、それでもしつこい方は相手にしないようにしていました。
結果として解約やトラブルは少なかったと思います。
中には私が断って当社の他の営業と契約した人もいますが、全く後悔はしていません。
人対人ですからね・・駆け引きなんてせずにお互いに気持ちよく話を進められるのが一番ですよね!
強引な値引き交渉によるリスクは?(値引き=家の質の低下で調整、は本当?)
「無理に値引きしてもらうと、そのしわ寄せが材料の質の低下や下請け会社へ行き、結果自分たちの首を絞めることになるよ」と言われることもあります。
その辺りはどうなんでしょうか?
ハウスメーカーにおいては、値引きによって家の質が低下する可能性は低いと思います。
ハウスメーカーは部材の仕入れ先や工場から組み上がるまでのルートが非常にシステマチックに決まっており、良くも悪くもそこをいじれません。
ですから、低品質なものを使うとかアウトレット品を使うといった自由さが無いことが多いです。
もちろん現場の職人さんは大幅に値引きされた物件かどうかを知る術もないので、施工がずさんになるということも起き得ないです。
「値引きによって家の質が低下する可能性は低い」とはっきり言ってもらえるのは、安心できる部分です!
だからといって強引に値引き交渉しても良い!ということでは決してありませんけどね💦
これに関しては、「大手のハウスメーカーでは起こりにくい」と捉えるべきかもしれません。
規模の小さい会社などは無理な値引き交渉の結果どこかにしわ寄せがいくということはあるかもしれませんし。
管理職だからこそ知る値引きの裏事情があったら知りたい!
管理職だからこそ知っていることが何かあれば、教えてください!!(無茶振り)
私が仕事をしてきた20年弱のなかでも色々な変化が起こってきています。
今後の予想としては業界の値引きという仕組み自体に大きなメスが入るのではないでしょうか。
具体的には値引きというシステム自体がなくなるということですかね。
個人的にはそうあって欲しいと思って声をあげています。
今は値引きというルールの中で動いているので私も値引きをしますが、たくさん値引きすること=誠意ではなく、本来は値引きしろを設けずに正直な金額をご提示することが誠意であると思います。
私個人で言えば値引き文化が無くなって、営業の能力で勝負する世界になっても困りませんが、値引きにお得感を感じる一定数の人がいるからこそ営業の一種のツールとして存続してしまっているんですよね。
家づくりって、考えなければいけないことが沢山あってとても大変なプロジェクトです!
「値引きのことで頭を悩ませる必要がなくなる」というのは、家を建てる側にとっても喜ばしいことだと私も思います!!
素人からは「適正価格」というものがあまりにわかりにくいですし、人によって差が出ないようになるのは私は嬉しいです✨
まとめ
注文住宅の値引きの真相を、現役のハウスメーカー管理職、なぎまるさんにお聞きしました!
今回分かったことは、
✅値引き率は社内で一律!
商品や地域によっては差があることも
✅担当者や会社によっては最初の提示価格が上乗せ価格になっている場合もある
✅キャンペーン値引きは、8割営業トーク・・かもしれない
本当にお得なキャンペーンも存在するが、見極めは困難
✅一社検討、相見積もりで値引きしてもらいやすいか、値引き率が変わるかどうかは会社や担当によって異なる
✅「これが限界です!」は、断り文句の可能性も
✅値引きをしてでも契約したいと思う場合もなくはない
駆け引きするより、「あなたにお願いしたい!」と素直に言う方が良さそう!
✅値引きによって、家の質が低下する可能性は低い(ハウスメーカーの場合)
✅今後、値引きはなくなるかもしれない!!!
でした!
最後に、注文住宅の値引きに関して気を付けた方が良いことはありますか?
値引き交渉は、やりすぎると逆効果です
過度な値下げ交渉や、こちらのミスに対して過剰な要求をしてきそうな相手に対しては、メーカー側も対策費や予備費を計上して自己防衛します。
50万円値引きしてもらったけど、初期の検討段階で人物難指定されて建物本体に50万円対策費が計上されていたら…どうなるか分かりますよね。
値引きなんて全く意味がなくなってしまいます。
人物難指定されて、対策費・・💦
そういったこともあるんですね💦
営業さんにとって、好意的で自分を信頼してくれる相手の方がやる気が出るのは当たり前ですよね!
値引き交渉に神経をすり減らすよりも、信頼できる営業さんと家づくりを楽しめる方が何倍も良いと思います!
建てた家への愛着も変わってくるかもしれません✨
今回のお話が、仕組みを知り、楽しく、そしてお得に家づくりするための材料になると嬉しいです✨
なぎまるさん、ご協力いただきありがとうございました!
なぎまるさんに値引きの仕組みや値引き交渉についても聞きました!
こちらも合わせてどうぞ!
今回はここまでです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨