コダテル最近ちょくちょく書いている、元幽霊ブロガーのズブロッカでございます。
今、コダテルではブロガー向けの質問サイト「コタエル」で以下のキャンペーンをやっておりますので、家造り全般について何か扱ってほしいテーマなどがあればこちらで質問してくれると、いいことがあるかもしれません。
さて、またまた新たなお便りをいただきました。
さてさて、質問の内容は…
HMでの注文住宅を検討しています。
将来的に転勤の可能性があり、その際は建てた家を売却するかもしれません。
スムストックという制度がありますが、ブロガーの皆様はこの制度をどのように思われますでしょうか?
普通の中古住宅より割高な部分で低評価なコメントも見受けられますが、個人的には将来ちゃんと役に立つ制度になるのかなと考えています。
jackさん、質問ありがとうございます。
という訳で、早速質問に答えていきましょう。
スムストックとは?
そもそもスムストックとは何ぞや?という人のためにとりあえず貼っておきます。ざっくりいえば、きちんと正規ディーラーで購入して、年次法定点検も車検も通常メンテナンスも全部ディーラーで面倒見て、リコール対応もしていて、点検記録簿もきちんと残っているディーラー認定中古車みたいな中古住宅ですね。
勿論、街の整備工場的な腕の良い整備士さんがしっかりメンテした中古車でも、ディーラー認定中古車に負けないクオリティを持っていたりもしますが、このスムストックはディーラー認定中古車!という看板が特徴といったところでしょうか。
中古住宅の価格はどの程度下がるのか?
自分の家の売却となると、入手価格に比べてどの程度価格が落ちるのかは気になるところです。三菱UFJ不動産販売社によるとこんな感じだそうです。
以下のサイトより引用しました。
一般的な木造住宅の場合、最初の10年で取得時価格の半分程度まで下がってしまうそうです。
築15年以降は比較的緩やかに価格が落ちる傾向があるんだとか。
ここまで読めば大体想像がつくと思いますが、スムストックはこの一般的な築年数による価格低下に対して、ちょっと高く売れる仕組みを作っているよっていうサービスですね。
誇大広告とまでは言いませんが、その中でも特に高価格がついた物件などは実例などとして紹介されています。
ただ、実際に自宅を売却するという段になってみないと、実際の所一般的な売却価格と比べてスムストックがどの程度有利なのかはさっぱりわからないというのが実態だと思います。
この制度への感想
私は土地建物取引の専門家ではありませんので、制度についてざっと調べた感覚から、「感想」を述べますと…- スムストック制度は自動車ディーラーの認定中古車制度の様なモノであり、もしかしたらその辺の中古車屋より高く買ってくれるかもしれない程度に考えている
- スムストックから中古住宅を購入する側で考えるならば、これもディーラー認定中古車同様に、ディーラーできちんと整備した状態で納車されるというイメージで、街の中古屋よりも割高かもしれないと考えている
- 売却の際、場合によっては、街の中古屋の方が高く買ってくれることもあるかもしれない
- 結局築年数を重ねると、建物の価格はどんどん下がるのは現状の制度ではしょうがないこと
- 土地の値段が下がりにくい、もしくは今後上がることが予想されるような「立地」の土地に家を建てるのが、売却の事を考えると良いのかもしれない(特に都市部で主要な駅に近い土地ならば)
今年から断熱等級が増やされますが、十年後にZEH未満の性能の家と、ZEH以上の性能が当たり前になった事態の家を比較したときに、いくらスムストックとはいえ十年後の基準に満たない性能の家が高価格で売れるのか?というと何とも言えない気がしています。
十年後、二十年後に、本当に日本がサステナブルな考え方に価値観がチェンジして、古い家を改修しながら長く住み続けるような文化になっているのか?というと、余程の経済大恐慌でも起きて新築で家を建てるのが本当に一部の裕福層にしかできなくなるという時代でも来ないと、新築バンザイな精神性はそう変わらない、つまりスムストックの理念である中古住宅という選択肢を一般的にという機運にはならないんじゃないかしらという気がしております。
というのを踏まえて、将来的に売却が選択肢としてあるなら、立地を優先した方が良いと思います。
一部の業種を除き、通勤が0になることはないだろうし、やはり主要駅の駅近というアドバンテージはそうそうひっくり返ることもないでしょう。
であれば、必然的に土地の値段も下がりにくいので、そういった土地であれば最悪建物が二束三文であったとしても、せめて土地代くらいは取り戻せる可能性は高くなると思います。
以上が、私の質問に対する回答となります。