住宅ローンを組む前に若いうちから心がけておくべきこと~その④

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このシリーズの記事を一番最初から読みたい人は以下を参照してください。




今までは住宅ローン審査において信用情報の登録内容が如何に重要であるかについて触れてきました。
今回は前回の予告通り、良好なクレジットヒストリーを作り、住宅ローン審査において有利な信用情報を積み上げるためのコツについて触れていきます。

金融取引の信用とは?


日本では借金は悪という考え方が根強いです。確かに借金をしないことはリスクマネジメントの一つかもしれませんが、借金がないことは金融取引上の信用にはなりません。

信用とは実績を積み上げることで深まるものです。

金融取引の世界では、1円の借金もしたことのない人よりも、かつて100万円でも10万円でも、借りたお金をしっかり約束通りに返してくれた人の方が信用度は高いのです。
今までお金を借りたことのない人は返済については信用度はある意味0です。しかし、借金をきちんと返した実績は確かな信用の土台となります。
この基本的な考え方がクレジットヒストリーです。

 

良好なクレジットヒストリーを作る

古い世代の人の中には、クレジットカードも含めて借金は絶対悪であり、すべて現金払いであることが正義であるという考えを持つ人もいます。
私の祖父母もそういう考え方だったので、戸建て住宅をキャッシュで買いました。大きなお金をキャッシュで動かせる財力があるのであれば、それも一つの解だとは思いますが…

現実問題として、住宅の様な高額な出費をすべてキャッシュで賄える人はそうそういないのが現実です。
であれば、若いうちから将来住宅ローンを組めるようにしっかり準備することが大切です。

このセクションのタイトルにもなっていますが、良好なクレジットヒストリーを作ることがとても大切です。

では、クレジットヒストリーはどうやって作っていけばよいのか?
様々なシーン別での例を挙げていくので、参考にしていただければと思います。

 

奨学金の返済はしっかりと


日本学生支援機構の奨学金では、奨学金の借り入れと返済履歴が信用情報機関に登録されることで知られています。


人によっては人生で初めての借金が奨学金というパターンも多いかもしれません。
しかし、人によってはこの奨学金の返済を甘く見て返済が滞りがちになる方もいます。これをやると人生の最初で5年から10年の歳月を金融ブラックとして過ごすハメになります。

奨学金の返済も、クレジットカードやローンの返済同様に信用情報に記録されます。
3か月以上遅れたら自身の信用情報に事故情報がついて、延滞を解消後最低5年はクレジットカードはおろか、自動車のローンも、住宅ローンも組めなくなります。
20代前半でこれをやると、最悪30歳近くまでこのような状態が続きます。

奨学金は期日通りしっかり返しましょう。
就職ができなかったとか、リストラとかで返済が難しくなったら返済期日が過ぎて督促が来る前に直ちに奨学金の借り先に相談を行いましょう。
返済計画の見直しなど相談に乗ってもらえ、信用情報に傷をつけずに何とかなる場合もあります。

 

携帯電話の割賦払いはクレヒスになる


ドコモ、AU、ソフトバンクの三大携帯電話キャリアでは、携帯電話本体代を月々の通話料の支払いと一緒に分割で支払いができるサービスがあります。
実はこれもCICに記録が登録されます。

iPhoneなんて新品で10万円を超えるのも当たり前になってきていますが、現金で買えれば良いですが急な故障などで機種変更などが必要になるケースもあると思います。
そういった時に、機種代の割賦払いは非常に便利です。

携帯電話本体の割賦払いはクレジットヒストリーを作る入門としては実はおススメだったりします。
携帯電話の利用料金と一緒に支払うので、この支払を怠ると電話が使えなくなります。現代社会で携帯電話が使えないというのはなかなかに厳しいものがある方は多いかと思います。

毎月確実に遅れずにきちんと払い続ければ、CICには立派なクレジットヒストリーが記録されるのです。
その代わり、遅れたりすると悪い意味でのクレジットヒストリーが残ります。

ただ、携帯電話利用料金も満足に支払できない人が、果たして住宅ローンの支払いをきちんとできるのでしょうか?

 

賃貸契約時の保証会社も信用情報を参照する場合がある


近年では賃貸物件を借りる際に保証人ではなく、保証会社の保証を受けないと借りられない物件も多くあります。
その保証会社の中には一部信販系の業者がいます。例えば、『オリコフォレントインシュア』(オリエントコーポレーション系列)等です。

こういった保証会社の場合は、CICやJICCの信用情報を参照して審査をしていると言われています。
そのため、クレジットヒストリーに問題があると賃貸物件も借りられなくなる可能性があります。
また、家賃をきちんと払っていないと信用情報上不利になる可能性もあるので、家賃は遅れずにしっかり払いましょう。

 

クレジットカードを効果的に利用する


クレジットカードを持つことを嫌がる人は意外に多いです。
そういう人は自動車なども現金一括で購入したりします。

つまり、金融取引が0というパターンも多い訳です。

金利を払うのがバカらしいというのは実に理にかなった考え方ですが、それでも住宅ローンだけは組みたいと考えているのであれば金利を掛けずにクレジットヒストリーを重ねる手段はあります。
  • クレジットカードのキャッシング利用枠を0とすることです。これにより、そもそもクレジットカードでお金を借りることができなくなります
  • 一括払いのみ利用することで、支払履歴は残るが金利はかかりません
  • 公共料金などの毎月支出される支払いをクレジットカードにすることで、クレジットヒストリーを積み上げつつ毎日の生活を通常通り送れます
 

住宅ローンを組みたい銀行の提携クレジットカードを活用する

将来この銀行で住宅ローンを組みたいという希望があるなら、その銀行と提携しているクレジットカードを作るのも一つの手だと思います。
また、給料振り込み口座として利用したり、各種料金引き落とし口座として利用していたり、楽天銀行などでは、楽天カードを保有しているユーザーには特典があったりと、銀行もユーザーの囲い込みに必死です。
それをうまく活用し、その銀行のサービスを集中利用して利用実績を積み上げることで、その銀行にとっての良いユーザーとなることもクレジットヒストリーを積み上げるうえで有効な手段の一つと言えるかもしれません。

 

カードローンは利用しない

銀行と提携したカードローン商品なども今は数多く出回っています。
銀行の名前を冠しているので、消費者金融を利用するよりも印象は良いかもしれませんが、住宅ローンを組むことを考えているならそれらのカードローンは利用しないことをお勧めします。
グレーゾーン金利撤廃で多くの消費者金融が潰れる中、消費者金融も生き残りをかけて銀行傘下に下ったり、銀行向けの消費者ローンの保証会社として提携することで生き残っています。
その最たる例の一つが、銀行が発行するカードローンです。あれは、保証会社として消費者金融がついているので、実質は消費者金融です。

メガバンクなどでは、消費者金融の借り入れがあるだけで住宅ローンの審査を否決するところもあります。たとえ自社が運営しているカードローンであってもです。
従って、カードローンなどの商品を含めて消費者金融や、クレジットカードのリボ払いやキャッシングは住宅ローンを組むことを目指すなら、利用しないに越したことはありません。

 

まとめ

今回は、良好なクレジットヒストリーを積み上げるための方法について触れました。
金融の信用は良好な返済実績がものを言う世界です。

これから新社会人を迎える人は、この辺をしっかり意識して金融取引を行ってください。

これまでの『住宅ローンを組む前に若いうちから心がけておくべきこと』シリーズでは、多くの反響をいただきました。
とりあえず私が書こうと思っていたことはここまでではありますが、もし住宅ローンに関連してこんな部分も気になるなど、扱ってほしいテーマがあれば当ブログのコメントや、私のTwitterで要望を戴ければ、記事としてまとめようと思います。

まずはここまでお読みいただいてありがとうございました。

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ABOUTこの記事をかいた人

2020年にヘーベルハウス(FREX AXiii)で家を建てたヘーベリアンです。 当時の仕様のヘーベルハウスでの家造りの流れ、建築の流れや、住宅ローンについての記事を投稿していました。 2022年7月をもって、コダテルブロガーを退任したため、既存の記事以降は更新予定はありません。