家造りのバイブル~イエマナノートをレビューしました。

スポンサードリンク


現代社会において、何かをやろうとするときにほぼほぼ必ずついて回るのは、お金です。
このコダテルは、注文住宅を建てようとする方々向けのサイトですので、家造りにフォーカスを当てたとしても、真っ先に考えなければならないのはお金。

今回、家造りをする上で避けては通れない「予算」について、非常に有益なツールを紹介します。

その名も『イエマナノート』です。

このイエマナノートは、ファイナンシャルプランナーでもあり、ご自身も注文住宅を建てた「とよくま」氏が送り出した、家をこれから手に入れようとする人にとってバイブルと言っても過言ではない書籍について、紹介したいと思います。
なお、紹介にあたって、とよくま氏から直接掲載する各種画像等の使用は許可を頂いております。
そして、報酬などを貰っての紹介ではありません。
実際に私も購入してみて、私が家を建てたときの条件を実際に記入してみて再現してみましたが、実によくできており、心からおすすめしたいと思いましたので、とよくまさんより掲載許可を頂いての執筆となります。
なお、このノートは注文住宅に限らず、建売住宅やマンション購入でも非常に役立つことは間違いありません。

イエマナノート、是非自分もほしいという方は以下のリンクが公式サイトですので、そちらよりお求めください。
このリンクから購入しても、私にアフェリエイト等は一切入らないのでご安心ください。



 

イエマナノートの概要

では、早速内容の紹介に進みます。
このノートの目次は以下の通り。


筆者のとよくまさんは、先にも述べた通りファイナンシャルプランナーを本業とされているので、目次を見てもわかると思いますが予算策定の部分にかなりの力を入れています。
このコダテルの記事でも、私自身も何度か記載していますが、家というのは生活の拠点です。家さえあれば生活…人生がうまくいくというわけではありません。
家というのは、自分自身と家族の人生をハッピーに過ごすためのツールでしかありません。
つまり、家を建てたあとの人生こそ本番であり、その本番たる人生を面白おかしく生きるためにはやはりお金は必要です。
日々の生活がカツカツになる、もしくは過度に我慢をしなければならないほど家にお金をかけすぎるというのは、家を建てる目的に対して本末転倒な結果を招きます。

とよくまさんはこの部分でとにかく失敗や後悔をしないようにということを、このノートの最大のテーマとして扱っています。

というわけで、ダラダラと前置きを書いてもしょうがないので、本編の紹介へと移ります。

 

家づくりの予算

前書きや目次が終わり、本編に入ると早速予算についてのページが始まります。


有り余るキャッシュがあり、税制の優遇を受けることに全く興味がない方でもない限りは、大体の方は住宅ローンを組んで住宅取得を行います。
そのため、この予算の章の最初は「自分の年収では一体いくらまで借りられるのか?」をテーマに、実際に数字を入れて金額を算出できるようになっています。

ただ、それだけならばSUUMO等のサイトでもできます。
このイエマナノートの良いところは、現実的にゆとりある返済額を算出できるように算出表を作っているところです。

年収ベースや月給ベースだと、各種税金等が引かれていない額面での算出となってしまいますが、このノートでは実際の手取り額ベースで計算するようになっています。
また、実際に現在の家計収入と支出、そして住宅ローンを組んだ後の家計収入と支出のキャッシュフロー図を実際に書くようになっており、想定している住宅ローンの返済額で実際の家計のイメージが付きやすいように工夫されている点が非常に良いです。
一つ意見を言わせてもらうのであれば、一番最初に現在の家計のキャッシュフロー図を入力するページを持ってきてから、各種住宅ローン等の金額を入れるようにすると、より現実的な目線での検討が進めやすいフローになるのではないかな?と思いました。


 

また、自己資金の算出についても計算するページが設けられており、親などからの資金援助の他に、貯金なども参入した上での予算計画を立てられるように計算表があります。
自己資金を単純に全弾投下ではなく、生活防衛資金や現金で支払わなければならない金額、引っ越しや家具家電購入資金等をきちんと残す必要がある点もこの表には指摘があり、例えば貯金が1000万あるから、1000万を差し引いた金額での総予算計画など、雑な予算計画にならないように歯止めがされている点が非常に良心的です。

あまり内容をここに載せ過ぎると、このノートを買わなくてもよくなってしまうので画像はこれ以上載せませんが、ファイナンシャルプランナーとしての諸々の的確なアドバイスや注意点などもリストとしてコメントされており、下手にハウスメーカーなどに資金相談をするよりも、しっかりと自分自身の予算計画を立てることができるようになっています。

お目当てのハウスメーカーや工務店のドアを叩く前に、予めこのノートを作成して最初の時点で「我が家の予算はこの通り!」と提示することで、新築計画をよりスムーズにスタートさせることができます。
※一部の営業担当者は、成約金額を少しでも上げるために収入的に借りられる金額目いっぱいの予算計画を提示するような方もいます。その提案に引っ張られないようにするために、このノートでしっかりと自身の予算感を固めておくのは打ち合わせを進める上でもとても有利になると思います

実際に我が家の資金計画をこのノートベースで入力したところ、ノートで定義する安心して返せる額に住宅ローン金額は十分収まっておりました。
このノートを使うだけで、ファイナンシャルプランナーに相談するのと同等レベルの精緻な資金シミュレーションが立てられることがよくわかります。

 

住宅購入にかかる費用についての解説

経験や知識がないと、実際に注文住宅の建てるに当たってどんな費用がどれくらいかかってくるか?は知らないのは当然です。
住宅ローンにしても、土地と建物両方を住宅ローンで取得する場合には色々とやり方があることもなかなか知らないことでしょう。

このノートではその辺の仕組みや、どんな種類の費用がかかってくるか?についても解説されています。
ネタバレになるのであまり触れませんが、知っておくべき知識は一通り体系立てて解説しているので、家造りを始める前にかならず読んでおいたほうが良いお金に関する内容は網羅されています。


諸々かかってくる費用をある程度予想計上し、まとめるとあら不思議。
家の予算がある程度具体的な金額となって出てくるので、実際に気になるハウスメーカーや工務店の扉を叩いたときにまず聞かれる「ご予算は?」に対して、このノートを見せればもう解決です。

 

家造りのスケジュール

予算計画を立てたら、いざ家造りプロジェクトのスタート…となりますが、スタートさせてから実際に住むまでにどれくらいの期間がかかるのか?は気になるところです。特に、お子さんの入学のタイミングまでにとかお尻が決まっているようなスケジュールの場合、どれくらい前から計画しないと間に合わないのか?という点は重要です。古き悪しき日本企業は動かせないお尻のスケジュールを決め、計画がグダグダのままスタートしてお尻に間に合わせるために無茶な工程を組ませて品質が落ちるなんてことをよくやります。
あなたの家造りがそうならないように、余裕のあるスケジュールでプロジェクトをスタートできるようにしましょう。

というわけで、このスケジュールセクションでは大体のスケジュール感を学べるようになっています。
とはいえ、建てるハウスメーカーやその建築工法、社会情勢などで必ずしもここで記載している目安の通り進むとは限らないので、少なくとも最低これくらいの期間は見ておけ、こういうことをこれくらいの期間をかけて検討するぞという情報をまとめているものになります。


 

土地探し

予算、全体スケジュール概要と続いてきましたが、次から一つ一つの項目を掘り下げた内容になっていきます。
まず最初は土地についてです。建てる地面がなければ家は建ちませんので、最初に検討するのは土地ですね。

土地を探す上で、こういうポイントを見るべしというものが網羅されており、実際にいくつか土地を比較する際の比較シートが作りやすいようなチェックシートが備えられています。
すべての希望に叶う土地など、そうそうあるものではありません。
どこを優先しどこを妥協するのか?それをある程度比較しやすいようにできています。


 

建築会社の比較

実際に建築する会社を選ぶための自分自身の中の選定基準を見える化し、その基準に適っているかどうかを比較しやすいシートに仕上げられるのが、この建築会社の比較セクションとなります。


各社売りが違うので、それぞれの会社のプレゼンを聞いて比較するのは割りと難しいです。
このノートでは、同じ項目を比較しやすいように比較項目をリストアップしてくれているので、実際に説明を聞きに行くときにこのノートの比較項目の回答をメモれば良いようにできています。

こういうものを持っていってメモをとりながら説明を聞くことで、業者側もイメージや感覚で押して勢いで契約までという営業がやり辛くなるのでおすすめかも知れません。

ただ、このセクションについて注文をつけるならば…
割りと唐突に耐震等級であったり断熱等級だったりといった専門用語が出てきます。
初めての家造りをターゲットにしているなら、これらの用語の解説にもう少しページを割いても良かったかもしれません。
例えば耐震等級1は建築基準法で定める耐震性能とされていますが、これだけのインプットだと「じゃあ耐震等級1でいい」と思ってしまうかもしれません。
実際に熊本地震で耐震等級1や2の住宅の被害状況などの情報を提示した上で選べるような情報のインプットがあっても良かったと思います。

 

間取りづくり

次のセクションではいよいよ、間取りづくりに入っていきます。


間取りを考える上での流れなどが書かれており、実際に自分で間取りを考えるための方眼紙ページも複数用意されているので、書き込みながら考えられるという便利さはあります。

ただ、私はこのセクションに対しては敢えて苦言を呈したい。
あくまで自分で間取りを作る前提でのページ構成となっているため、このノートに沿って進めてしまうと、自分で間取りを描いて、その間取りに囚われてしまうという懸念があります。
自分のことは自分が一番知っており、その自分が良いと思って考え抜いたのだから、この間取りは完璧だという先入観で固まってしまうと、プロが提案する間取りなどを素直に受け入れることができなくなるおそれがあります。

間取りは、生活スタイルをベースにゾーニングから生活動線、家事動線などを総合的に設計・検討して導き出します。
立地環境に合わせて、開口部の位置なども綿密に設計に落とし込むものです。

素人設計が駄目だと言うつもりはありませんが、プロの目線での設計にはどんな意味があるのか?その上でプラン構築を進めていくと、より良い間取りが出来上がる可能性は上がります。
であればこそ、自分で自分を縛るような真似(間取りを全部自分で描いてしまう)は避けたほうが良いと、私は思います。

また、家造りは現在の生活の課題解決の手段の一つでもあります。
したがって、今抱えている課題を可視化するというプロセスを一つ挟む(具体的には、今の住まいの間取りを分析する)ページを作ると、より一層便利になると私は思います。
間取り検討の方眼紙ページを使って、それを実施することは可能ではあるので、もしこのノートを手に取られたなら、そのプロセスも是非実施してみることをおすすめします。

 

外構プラン

これは家造りあるあるなのですが、建物の検討で大体疲れ切ってしまうので、家の外側である外構を検討する頃にはヘトヘトになりがちです。
そして、外構予算は思っていたよりも意外と掛かるため、予算策定時点であまり根拠なく費用積算をしていると、いざ真面目に考え始めたときに、予定予算では大して何もできないということにはたと気づきます。

そうなっては後の祭りなので、このノートを一通り読めばこの外構も最初にちゃんと考えておかないとならない項目だということに気づかせてくれます。

どんなポイントを注意するのか、どれくらい予算が必要なのかなど、一通り必要な情報はあるので、是非先に目を通しておきたい項目ですね。


 

打ち合わせノート

最後のセクションは打ち合わせノートになっています。


いろいろな家造り経験談を読むと、本当に多いのが「言った言わない」の揉め事です。
こればかりは、毎回録音するなりでもしないとどうしようもないのですが、毎回そんなことをしようはありません。

ハウスメーカーによっては、打ち合わせ議事録を作ってくれて、打ち合わせの最後にかならず議事録に沿って内容を確認して合意してから打ち合わせ終了という方式を取ってくれるところもありますが、長い打ち合わせになると平気で2時間以上かかったりもします。
議事録の書き漏らしがあっても気付かなかったりもします。

そこで、施主自身もきちんと議事録を取ることがとても大事です。

このイエマナノートは、もちろん議事録ページもしっかり用意されています。
このノートを打ち合わせに持ち込めば、議事録も書けるし、そもそも自分自身の家造りの方針を事前に記載しているので、打ち合わせ中にふと迷ったときにページを遡り初心に帰ることもできます。

実によくできたノートです。
これだけしっかり内容を検討したノートは、ブレない方針の軸となり、最も理想に近い形の家を作るための大事なツールになるでしょう。
そして、後から言った言わないと揉めたときに、この議事録は自分を守る盾にもなります。
実際に家造りを経験した筆者だからこそ、このページの重要性をわかっており、貴重なページ数をここに割いたことがよくわかります。

 

最後に

このノートを実際に手に取り、我が家の建築計画の復習をしつつ当時の状況をベースに実際にノートを使って検討してみました。

実はもう少し予算をかけても大丈夫そうだったなぁとか、この部分をもう少し時間をかけて検討してもよかったかなという発見もありましたが、概ね実際に自分が建てた結果とそんなに変わらない結果を導き出せました。
私自身、かなり周到に計画をして家造りを進めたので大きな失敗等もなくうまく行ったほうですが、その当時にこのノートがあれば「もう少し楽ができたな」と思う場面は多々ありました。

一方で、私ならこのノートにこの項目をいれるなぁと思ったポイントは本文中でコメントをさせてもらいました。
ただ、全体的にこのノートは本当に家を建てようとする人にとっては貴重なツールになることは間違いないでしょう。

しかしながら、文字を読むことが苦手な人にはちょっとハードルが高いかもしれません。
最近では、インスタグラムやYoutube動画と言った視覚に訴えるメディアが人気で、こういった書籍での情報収集よりも重視される傾向があります。

つまり、このノートは人を選びます。
でも、内容はとても良いので文章を読むのが苦手でも一生懸命読んで取り組めば、きっと良い家が建てられます。

 

今回は私の私見も大いに入ったレビューなので、その他の方のレビューも読みたい方は以下のリンクから他のコダテルブロガーのレビュー記事を読めますよ。



へーベルハウスや注文住宅について専門家への相談

専門家相談(無料)

ABOUTこの記事をかいた人

2020年にヘーベルハウス(FREX AXiii)で家を建てたヘーベリアンです。 当時の仕様のヘーベルハウスでの家造りの流れ、建築の流れや、住宅ローンについての記事を投稿していました。 2022年7月をもって、コダテルブロガーを退任したため、既存の記事以降は更新予定はありません。