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第14回 売る側が使う心理テクニック:その9:カクテルパーティー効果

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ンサルタントの山本広高です。
前回は「ハロー効果」と呼ばれる、際立って目立つ特徴が全体の評価に影響を及ぼす心理についてご紹介しました。

第十四回は「売る側が使う心理テクニック:その9:カクテルパーティー効果」です。

カクテルパーティーのような人がそれぞれにしゃべっている状況下においても、1対1で話している相手の声は聞こえます。人は無意識に情報を選択して受け取っていると言えるでしょう。気になる情報はすっと入ってくる心理状況をカクテルパーティー効果と呼びます。

大手住宅販売業者を選別している中で、少し気になる事業者があれば、街中で思わず「見つけた!ここにもある!」というようになんとなく気になります。車を購入しようとしている場合でも、プリウス買おうかなと思い始めた段階から街中にどれだけプリウスが多いかを知ります。

筆者のマンションには時々、「○○マンションの○○号室にお住まいの方に~」というトーンで○○代の方が2LDKをお探しです、というような内容でチラシが入ります。正直、カクテルパーティー効果だな、と思いながらも読んでしまいます。まったく気にならないチラシが多く紛れていても、手に取ってしまうものです。

住宅販売員の方はカクテルパーティー効果をどう使っているのでしょうか。

それはずばり、「名前を呼ぶ」です。デキル営業マンはお客様の名前をしっかり覚えています。もし忘れたとしても、会話の中で探る術を身につけています。2回目に会った時に名前で呼ばれたら、「私のことを覚えていてくれている」というのはかなり強い意識付けになります。覚えていなくても、アポイントを取ったら前回の情報をきちんとおさらいして面会の際に会話の中でその情報を少し紐解きます。

特に会話の中で相手の名前を入れながら説明されるとその販売員は意識に残りやすくなります。

例)
「○○さんはお子さんがお二人だから4LDKのこのモデルがいいと思います。」「ここから200メートルほど歩いたら小児科があるので○○ちゃんは病気になっても安心ですね。」「○○さんの足なら駅まで10分切ると思います。」

もちろんこうした会話は当然ながら営業のシーンだけでなく日常生活の中でも活用できるものです。ご自身がもし新しい場所で新生活をする予定があれば、新天地で知り合った方に対して、その方の名前をさりげなく会話に散りばめながら話すことで印象が変わります。相手が興味を持った内容が分かれば、そのテーマ、キーワードを使って会話を掘り進めましょう。相手は気になるキーワードであれば進んで会話を進めてくれます。

好印象を作ることでコミュニケーションを円滑にスタートすることができます。少し意識してみることで、カクテルパーティー効果が役立つことを実感するに違いありません。

次回は「売る側が使う心理テクニック:その10:テンション・リダクション効果」です。ご期待下さい。

山本広高 このコラムの執筆者
山本広高(ヤマモトヒロタカ)
株式会社THINCESS代表取締役。JIMC日本統合医療センター四ツ谷なかよし鍼灸院を経営。様々な業種における販売支援、新事業立ち上げ支援を行う現場重視のコンサルタント。

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