クロセの記事を読むのが初めての方は、まずこちらの記事をお読みください。
ども、クロセです。
前回の、前々回の記事ではそれぞれ窓のサッシとガラスの話をしてきました。
ざっくり言えばいろいろな点から樹脂サッシのペアガラスやトリプルガラス推奨であり、本物の高高住宅を設計してくれる業者を探す場合は、それらを標準で採用しているメーカを探すべきという話をしてきました。
私の記事を読んでもらう目的は「本物の高高住宅を探せられる情報を身に着けてもらう」と考えているため、前回までで窓の話としては十分だと思っています。
ですので、今回話す窓の断熱性能に関するお話は蛇足部分だと思っています。
興味がなければあえて読む必要はありません。
ただ、窓の性能についてもう少し知りたいなという人はぜひ読んでみてください。
今回は窓の断熱性能を示す数値に関するお話してみようと思います。
窓全体の断熱性能:Uw
窓のガラス・サッシを合わせた断熱性能を示す値をUwといいます。Uは熱の通しやすさを示す値であり、wはWindow(窓)のことです。
熱貫流率と記載されることもあります。
YKKapの公式HPより参照
上の図の場合、Uw=1.31となります。この値が低いほど、窓全体の断熱性能が高くなります。
Ua値の窓バージョンと思えばわかりやすいかなと思います。
窓付近の外気温による不快さを無くしたいなら、Uw値が低い窓を選ぶとよいでしょう。
ガラスの断熱性能:Ug
窓の中でもガラスの部分の断熱性能を示す値をUgといいます。UgのgはGlass(ガラス)のことです。
低ければ低いほど当然断熱性能が高いわけですが、傾向的にUgの値が低いほど、日射取得率が下がる傾向にあります。
つまり、断熱性能を求めるためにUgが低い窓を使った結果、日射が思ったよりも入らず、結果としてUgが高いガラスのほうが省エネになる場合もあります。
とはいえ、Ugが高いと今度は外気の影響をもろに受けて不快になるため、そのバランスが重要になります。
温熱にこだわった工務店であれば、当然ここも意識して家を設計してくれるでしょう。
サッシ部分の断熱性能:Uf
窓の中でもサッシの断熱性能を示す値をUfといいます。UfのfはFrame(枠)のことです。
これもUwやUg同様に、低いほどサッシの断熱性が高いことを示します。
Ugと違ってこの値が低いことによるデメリットは特にないため、低ければ低いほどいいといえるでしょう。
Uwが高くても要注意
さて、窓の断熱性能を示す値としてUw、Ug、Ufがあることがわかりましたが、これらの値で気をつけたい点があります。以下の2つの窓をご覧ください。
サッシの材質が異なるだけで、どちらもペアガラスです。
Uw(熱貫流率)をみると、樹脂サッシのほうが低い(高断熱)ですが、アルミ樹脂複合サッシも決して性能的には悪くないように見えます。
しかし、Uf値に注目をすると、樹脂サッシはUf=1.5程度に対し、アルミ樹脂複合サッシはUf=3.2となっています。
つまり、サッシ部分だけでいうと、2倍以上断熱性能に差があるわけですね。
サッシの話をした際に、私が樹脂サッシを強く推奨した理由がここにあります。
窓全体では悪くない性能でも、サッシの断熱性に差があるため、特に冬においては外気の影響で冷えて結露を起こす原因になるわけです。
ちなみにアルミ樹脂複合サッシでもトリプルガラスになるとこれぐらいUw値が低いものも存在します。
こちらは先ほど例に挙げた樹脂サッシがUw=1.31であるため、それよりもこちらのアルミ樹脂複合サッシの窓のほうが窓全体の断熱性能は高いということになります。
しかしUf値が低いため、トリプルガラスでもアルミ樹脂複合サッシのほうが結露がしやすいです。
というわけで、Uwだけでは見えてこないお話でした。
余談
今回紹介したペアガラスのアルミ樹脂複合サッシ窓はUf=3.2程度と高い割にはUw=1.58と悪くない性能をしています。その理由ですが、樹脂サッシよりも強度があることを活かしてサッシ部分を細くしているためです。
サッシが細い分、サッシの断熱性能が低くても窓全体では占める割合が低くなるため、窓全体としては断熱性能が良くなるわけです。
これに関しては賛否あるものの、細いサッシの意匠性を気に入って採用している人も少なくないですし、私個人としてはサッシの断熱性能が低いなりに窓全体としての断熱性能を少しでも上げようとする企業努力はいいものだと思います。
終わりに
今回は窓の断熱性能に関するお話でした。ちょっと蛇足感のある内容でしたが、なんで樹脂サッシを推奨するかという理由は説明できてよかったかなと思います。
前回、前々回までの記事と併せて窓選びの参考にしていただければ幸いです。
では。
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