クロセの記事を読むのが初めての方は、まずこちらの記事をお読みください。
ども、クロセです。
いつもは性能の話ばかりをしていますが、今回は時事ネタを書いてみようと思います。
この記事を書いている頃は5月も半ばを越えたぐらいですが、なんと梅雨が始まってしまいました。
クロセの住む近畿では、この時期の梅雨入りは観測史上最速だそうです。
そんな梅雨の際に多くの人が頭を悩ますのが湿気かと思います。
今回はそんな湿気に対する除湿について色々書いていこうと思います。
この記事をみれば今日から湿気から解放される!
かどうかはわかりませんが…(;´∀`)
湿度を下げるためのヒントにはなるかと思います。
前提として、ある程度の気密性を有していることを前提でお話しますので、気密性が低いと高湿度な外気が入り込んで除湿がうまくいかない可能性もあります。
あしからず。
また、私が除湿について学ぶにあたって以下のフエッピーさんという方が書かれたブログをとても参考にさせてもらいました。
https://iiie296.com/
除湿についての情報も豊富ですが(何ならこの記事読むより勉強になると思います)、それに限らず家の色々なことについて参考になるため、家を検討するにあたって熟読されるといいかと思います。
Contents
エアコンは超優秀な除湿器
除湿といえば除湿器という人が多いかと思いますが、エアコンにも除湿機能がついていることを知っているでしょうか?まあ知っていますよね。
ではそもそも除湿器とエアコンの除湿機能はどちらが優秀なのでしょうか?
以下は価格.comにて除湿器を除湿量の順番にソートした時の画像です。
一番除湿量が多い除湿器でも、最大で1日21リットル程度のようです。
一方、エアコンの除湿量は以下の通りです。
東京電力 調べてみました!より参照
弱冷房除湿と再熱除湿という言葉は知らない人が多いかと思いますが、あとで少し捕捉します。とりあえずここでわかることはエアコンを使えば最低でも1時間に1.1リットル、多ければ2.3リットル程度除湿できるということです。
1日で換算するとエアコンは約26リットル~56リットル程度除湿できるわけです。
比較するとエアコンの除湿量のほうががとても多いことがわかります。
今後、家を購入する人でエアコンを家につけないという人はまずいないと思いますが、ついでに除湿もできてしまうため、わざわざ除湿器を買う必要はないように思えます。
エアコンがあれば除湿器は不要か?
前述のようにエアコンがあれば冷暖房のみならず除湿もできてしまうため、わざわざ除湿器を買う必要はないように思えます。しかし、エアコンの除湿には気をつけたい点があります。
それは、多くのエアコンは除湿をすると室温が下がってしまうことです。
エアコンの除湿の仕組みとしては以下のようになります。
ダイキンのHPより抜粋
細かい話は割愛しますが、空気を冷やすことで、空気に含まれている水蒸気が水になります。(いわゆる結露を意図的に引き起こしています)
この水を取り除くことで空気は除湿されます。
現在売られているエアコンのほとんどは冷房も除湿もこういった仕組みで動いていています。
冷房と除湿の違いは冷やす度合いだけです。(除湿は冷房よりやんわりと冷やすイメージ)
この仕組みによる除湿機能が「弱冷房除湿」といわれています。
さて、前述の通りこの仕組みによる除湿では室温が下がってしまいます。
真夏の暑い日に除湿する場合は都合がいいのですが、梅雨の時期である6月ごろは、地域よってはまだそこまで気温が高くないため、部屋が寒くなってしまいます。
特に高高住宅の場合はエアコンが非常に効きやすいため、普通の家よりも室内が冷えやすいです。
さらに除湿の仕組みを考えると、室温が下がるほど除湿がしにくくなり、相対湿度(〇〇%というやつ)が上がるため、ダニやカビが増殖しやすくなります。
そこで便利なのが除湿器の存在です。
除湿器の利点
除湿器の細かい仕組みは割愛しますが、除湿器で除湿をすると室温が上がります。除湿器には「コンプレッサー方式」「デシカント方式」「ハイブリット方式」がありますが、どれを使用しても除湿しながら室温が上がります。
つまり、室温が低く湿度が高い時期にはぴったりの家電であることがわかります。
ただし、前述の通りエアコンと比較すると除湿量が少ないです。
そのため、エアコンの弱冷房除湿と除湿器を併用することで、エアコンの温度低下と除湿器の温度上昇を相殺しながら除湿量を稼ぐことができます。
除湿器の各方式の細かい説明は割愛しますが、コンプレッサー方式は音がうるさく、デシカント方式は電気代が高いという欠点があります。
ハイブリット方式はこれらを併用した方式です。
コンプレッサー方式と比較してデシカント方式のほうが温度が上がりやすいため、除湿はできても室温が上がりすぎることも考えられます。
私はどちらも未使用ですのでどちらがいいかは言えませんが、すでに所持している人や電気屋の店員さん、または誰かのブログを参考に選んでみてください。
部屋を冷やさずエアコンだけで除湿する方法
エアコンは除湿量が高いものの室温が冷えるため、除湿器と組み合わせると温度低下を相殺しつつ除湿ができますが、除湿器の設置に若干のスペースを取りますし、除湿器にたまった水を捨てる手間があります。一応、以下の写真のようにホースで連続排水できるタイプもありますが、その場合は設置が排水可能な場所付近に限定されてしまいます。
三菱電機のHPより抜粋
一方で、エアコンは外に排水するホースがあるため、エアコンだけで除湿ができるならそういったわずらわしさから解放されます。梅雨時期は気温がなかなか上がらないため、冷房や弱冷房除湿では部屋が冷えてしまいまう
ことは説明しましたが、実はそれらを解決する方法が2つあります。
エアコンを2つ使って冷房と暖房を併用する
冷房や弱冷房除湿で部屋が冷えるなら、冷えた分を暖房で温めればいいわけです。理由を知らない人から見れば電気の無駄遣いをしているだけに見えますが、実際この方法は除湿には非常に有効です。
この時、家が2階建ての場合は1Fを暖房、2Fを冷房とするといい感じになります。
暖めた空気は上昇し、冷えた空気は下降するため、空気が循環して除湿→加熱を繰り返してくれるわけですね。
同じ階にエアコンが2つあるなら、それを併用してもいいと思います。
もちろんですが、電気代は冷暖房を同時に使用する分多くかかりますが、除湿のために寒い思いをすることを避けることができます。
再熱除湿という機能が付いたエアコンを使う
再熱除湿の仕組みは以下の図の通りです。ダイキンのHPより抜粋
冷房によって除湿した空気を暖めなおして放出するわけですね。要は先ほど説明した冷房と暖房を同時に使う方法をエアコン1台で再現しているわけですね。
当然、こちらも冷房や弱冷房除湿より消費電力は大きいですし、さらに再熱除湿機能が付いたエアコン自体が高いという難点があります。
ただし、その価格を考慮しても、この機能が付いたエアコン1台を回すだけで延床40坪くらいまでの家であれば容易に除湿ができてしまうというのは非常に便利で快適です。
すでにエアコンを設置してしまった人は除湿器との併用やエアコン2台使いをしていけばいいですが、これからエアコンを購入する人はこの機能が付いたエアコンも検討してみてはいかがでしょうか?
ちなみに再熱除湿は室温をあまり下げずに除湿ができる利点がありますが、それに加えて冷房や弱冷房除湿よりも安定して除湿ができるという利点もあります。
冷房や弱冷房除湿はその仕組みから室温が下がるほど除湿量が減りますが、再熱除湿は温めながら除湿をすることで室温を下げにくいため、安定して除湿ができるわけです。
こういった観点からも、再熱除湿機能がついているエアコンがあると非常に便利です。
現在、再熱除湿機能が付いたエアコンは日立、三菱、富士通の3社から出ていますが、評判を聞く限り日立製が温度も湿度も調整できてよさそうです。
私の家には富士通のエアコンがありますが、これは温度も湿度も指定できないため、微妙に室温が下がってくるのでいまいちです。
(;´∀`)
エアコン冷房による除湿のコツ
エアコンで効果的に除湿をするためにはいくつかコツがあるので説明しておきます。設定温度は低く、風力は小さく、風向きは下に設定
エアコンの冷房や弱冷房除湿で除湿をする場合は「室温を低め、風量は少なめ、風向きは下」に設定すると除湿がしやすくなります。前述の通り、エアコンの除湿は空気を冷やす→水蒸気を水にする(結露を起こす)→その水を捨てるという手順で行います。
この時、空気の冷えが甘いと結露を起こすことができず、空気が冷えるだけで終わってしまいますので、設定温度を低く目にして空気をガツンと冷やす必要があります。
風量を少な目する理由も同様です。
風量が多いと空気が結露を起こす前に次から次へと送風をしてしまうため除湿の効率が落ちてしまいます。
一方で、風量を小さくするとゆっくりと空気が送られるので空気が十分に冷えて結露がたくさん起こり、除湿が効果的にできるわけです。
どうしても風量が小さくならない場合は、以下の写真のようにエアコンフィルターを何枚かかませると強制的に風量を下げることが可能です。
エアコンにフィルターをかませる
風向きを下にする理由は、エアコン付近を冷えにくくするためです。エアコンの周りが冷えてしまうと、温度センサーが反応して十分に空気が冷えたと判断し、冷房が止まってしまいます。
そして、その時点で除湿も止まってしまうのです。
それを防ぐために風向きを下にすることでエアコン付近が冷えることを防止します。
エアコン前の空間が大きく空いていれば下向きにしなくても冷えないので、下向きにする必要はありません。
参考までに、私はこのような設定でエアコンを動かしています。
写真の左側がその設定です。
エアコンの設定
温度は21℃で風量は最低で動かしています。家にもよりますが、大体22℃以下ぐらいの設定で動かせば効果的に除湿をしてくれるでしょう。
なお、再熱除湿をする場合はここまで気を使う必要はありません。
自分が適温だと思う温度設定で除湿をさせたらいいと思います。
除湿用のエアコンを居室から離す
前述の通り、冷房や弱冷房除湿で除湿をすると室温が下がるため、梅雨などのあまり気温が高くない時期に動かすと体が冷えていきます。また、再熱除湿でもその風を体で直接受けると寒く感じます。
それを抑える方法として、リビングや個室とは別の場所にエアコンを設置するという方法が挙げられます。
例えば、2階の廊下に設置するのはありでしょう。
個室ではなく廊下に?
という人はいるかもしれません。
エアコンの話はそのうちしたいと思いますが、高高住宅であれば延床30~40坪くらいの家でも間取りを工夫すれば10畳用エアコン1台で家中を除湿することや涼しくすることが可能です。
そのことを考えると個室ではなく廊下に設置するというのは意外に有効な選択なのです。
(というか個室に設置するとエアコンが効きすぎます)
冷気は下に降りるため、除湿用のエアコンは2F廊下にあるといいでしょう。
すでにエアコン設置済みな場合は場所をかえることが難しいと思いますので、暖房や除湿器と併用して寒くなりすぎないようにしたり、風が直接当たらないように向きを変えたりなどするしかないでしょう。
換気量を減らす
梅雨の時期は換気量を減らしたほうが湿度を抑えることができます。私が子供のころは、梅雨の時期といえばしっかり換気をしましょうと言われた気がしますが、冷静に考えるとその行為は外の湿気を家の中に入れてしまうことになるのです。
換気量の減らし方はその家に設置されている換気扇によって方法が異なるため各位で調べてみてください。
また、換気量を減らしすぎると今度はCO2濃度が高くなり健康に影響を与えるため、CO2濃度の計測器を使って問題ないか確認しましょう。
少なくとも、窓を開けて換気をするなんて言う行為は全く意味がありません。
以上が、エアコンで除湿を効果的に行うためのコツです。
湿度の目安
除湿するにあたってどれくらいまで下げたらいいかの目安ですが、相対湿度で60%以下まで下げたいところです。理由としては、60%を越えるとダニが増殖をし始めるからです。
また、カビが増え始めるのが80%以上だそうです。
これらのことを考慮すると、相対湿度は60%以下に保ちたいところです。
除湿のメリット
今更ですが、除湿のメリットも説明しておきます。1つ目はダニやカビの発生を抑えられることです。
ダニもカビも体に悪影響があるものですから、抑えられるのはいいことだと思います。
2つ目は洗濯物の室内干しがしやすくなることです。
家の中の湿度を安定して低めに抑えることができれば、梅雨の時期でも室内干しで洗濯物を容易に乾燥させることができます。
つまり、天気に左右されずに洗濯ができるわけです。
そしてなんといっても、洗濯物を干すためのベランダが不要になりますので、それだけのためにベランダを作ろうと思っている人はベランダを無くしてコストカットが可能です。
3つ目は家が長持ちすることです。
木造の家は木でできているため湿気に弱いです。
とはいってもそう簡単にダメになるわけではありませんが…
湿度によって、少しずつ見えないところに水分でダメージを受けてそれが蓄積していくのです。
これを防ぐためにも、除湿で適切な湿度に保つことをお勧めします。
終わりに
今回は時事ネタということで除湿について考えてみました。かなりの長文を書いてしまいましたが、これでもいろいろなことを割愛しているため、話したいことが伝わりきっていないと思います。
そもそも私自身も完璧に除湿を理解していないというのもありますが…
それほど梅雨時期の除湿というのは難しいのです。
もっと深く知りたい人は、最初に紹介したフエッピーさんのブログを読み込んでみてください。
考えるのが面倒な人はとりあえずエアコンの冷房か弱冷房除湿で除湿してみて、うまくいかなかったら以下の方法のどれかを試してみてください。
・再熱除湿のエアコンを購入する(日立製が特に良さそう)
・除湿器とエアコン冷房を併用する
・2台のエアコンで冷房と暖房を併用する
これで大体は除湿できると思います。
この時、エアコン冷房の設定室温は22℃以下の低めに設定するとうまくいきやすいと思います。
ぜひ試してみてくださいね!
では。
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