「集成材」と「無垢材」の耐久性 ~何年持つのか実際に解体した住宅で調べる~

スポンサードリンク

 

集成材と無垢材も

「こっちの方がいい」派があって

 

双方で言い合ってますね・・・

 

 

無垢材が売りの
メーカーは集成材の
デメリットを言いますし

 

集成材を使っている
メーカーは無垢材の
デメリットを言い合います

 

双方の言い分も分かりますが・・・

 

今回は
「長持ちする」という
観点から

 

実際に30年~50年前の
無垢材と集成材を仕事で
見ている私から見ると


どっちも変わらないですね・・・

 

加速度実験じゃなくて
リアルに年数経過している
建物で見ても

 

集成材だと
すぐにダメになるとか感じないですし

 

どちらも壊した廃材を触りますが
「もろい」とかは感じません

 

それよりも
無垢材だろうと
集成材だろうと

 

ちゃんと作って無い家は
やはり木がボロボロですね

長持ちする住宅で大事なのは通気層の確保



 

前回まで記事に書いた
通気工法ですね

 

・これが無い

・もしくは施工不良や
 気密不足で上手くいってないと

 

どんなにいい木材でも
ボロボロになります

 




・無垢材は「いい物」と「悪い物」の差が激しい

 

「じゃあどれ使っても同じ?」と言われると

 

仮に値段が同じで
好きなの選んでいいよと言われたら

①いい無垢材
②集成材
③余りよくない無垢材

私ならこの順番で選びます

 

とにかく無垢材は
製品のバラツキが
凄いです

 

 

いい無垢材なんて
解体した後も
まだ問題なく使えるって感じですが


実際の解体の現場から
出る木材を見る限り

 

50年位なら
無垢材も集成材も
「問題なく使える」という事を
よく覚えて頂いてから

 

次の

・無垢材と集成材の違い
・乾燥方法の違い

などを読んで頂くと
分かりやすいと思います

 




・無垢材は天然乾燥と機械乾燥で全然違う

 

まずは無垢材ですが

 

木自体の質も
本当にピンキリですが

乾燥方法の違いも大きいです

 

 

例えば神社で使われるような
無垢材は天然乾燥です


こちらは樹齢100年の木を
天然乾燥で乾燥させています

 

大阪にある材木店さんですが
こういう材木店と付き合いのある
工務店の家なら

 

それだけで信用出来ると思います

 


http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1644629.html

 

天然乾燥は
文字通り2年とか3年以上かけて
天然で何もしないで乾燥させます

 

自然に乾燥させますから
当然自然の空気よりは乾燥しませんので
含水率15%位になります

 

 

一方の人工乾燥は
機械で乾燥させます


(住友林業の乾燥工場)

 

浴室乾燥の凄いデカイ工場って
感じですね(笑)

 

天然乾燥の仕上げに
少しだけ除湿させる工場もあれば
最初から工場で乾燥する場合もあります

 

乾燥の種類も
除湿式や蒸気式

 

さらには
大手メーカーだと電子レンジと
同じ高周波の仕組みで

 

内部に100度以上の熱を
与えて水分を抜く方式もあります

 

人工乾燥だから悪い
訳ではなく

 

含水率が高いままの
天然乾燥よりは

 

乾燥させた人工乾燥の方が
最初から丈夫ですし

製品の安定化も
大事なので

なんでも人工だから
悪いという訳ではありません

 

 

 

木造なら最大手の
住友林業も


https://www.fairwood.jp/printdoc/prdc_mel14_04.shtml

 

昔は天然乾燥の
無垢材ばかりでしたが

 

当然地域、木材によって
品質、含水率なんて全然違いますし
クレームが多発したそうなので

 

製品の安定化の為に
自然乾燥、集成材を導入しています

 

決して価格を抑えるだけじゃなくて
ちゃんとした商品を安定的に
納品する為の部分も大きいです
(実際、住友林業の木材は高いですしね・・・)

 

ただ、長持ちさせる目的だけなら
天然乾燥の方がずっと長持ちしますので

 

神社などは天然のみになります
(そもそも神社の木材は剥き出しですしね)

 

 

「長持ちするなら
やはり無垢材で天然乾燥のがいいじゃん」
思う人もいますが


 

桧を天然乾燥した場合
一番強度が上がるのが
なんと伐採して
100~200年後です

 

同じ重量で鉄骨と比較すると

 

鉄骨の強度が400ですから
1,400年は鉄骨と同じ強度です

 

桧は特別に長いですが

・杉で500年
・松で400年と

天然乾燥の木材は
とにかく高寿命ですが

 

最初の段階では
まだ強くなる途中ですね

 

人工乾燥すると
乾燥方法によっては寿命は

50年~100年程度と

 

集成材の寿命と同じ位に
なる場合もあります

 

 

しかし耐用年数は短くなりますが
メリットもあって

 

ひとつは当然
「価格が安く安定した品質で出せる」
という事です

 

天然だけに頼ったら
食べ物と同じで
バラツキが出ますから
品質が安定しませんし
品切れって事も出て来ます・・・

 

 

自然に乾燥するのと違い
自然よりも乾燥出来ますので
含水率8%というのも可能です

 

今の高気密、高断熱の家では
木材は10%以下にまで乾燥してしまうので

 

天然乾燥では
乾燥出来ないレベルですから

 

家が完成してからも
乾燥していくので
収縮していきます

 

 

神社なんて収縮しても
いいわけですし

 

「100年後に味が出るんだよー」
なんて神主さんは喜んでも

 

普通の家の施主さんは
余り喜びません・・・

 

住宅なら100年持てば充分ですが

 

神社は500~600年と
長持ちさせたいですからね

 

なので戸建て住宅とは
全く用途が違うと思った方がいいです

 

とはいえ
不自然に乾燥させすぎも良くなくて


無垢材でも
短工期、過乾燥すると
耐用年数はどんどん
落ちていきますので

 

こうなると
集成材よりも
耐用年数が落ちる
無垢材もたくさん出てきます

 

なので
「何でも無垢材の方がいい」
訳でもなく

 

集成材より耐久性の無い
無垢材というのもたくさんあります

 

とはいえ見た目の満足感は
非常に高いと思いますし

「家を100年以上持たせたい」って話なら

 

無垢材の天然乾燥しか
選べませんが

 

50~60年持てばいいなら
人工乾燥でも充分だと思います

 

実際、壁内結露などが
無ければ集成材でも100年程度は問題ありませんし

逆に壁内結露を起こせば
どんなに高級な無垢材でも
すぐにダメになってしまいます

ちなみに壁内結露なので
窓に出る結露とは別物です

家の換気、通気がちゃんと出来れいれば
問題ありません
(ちゃんとするのが難しいんですけどね・・・)

 

・・・・・
・・・・
・・・
・・


なのに嘘と知ってか
知識が無いのか分かりませんが

人工と天然の
乾燥方法を知らないまま

「無垢材なら300年持ちます
集成材なら30年です」

って言う営業さんも結構いますね

 

 

そういう営業さんには
「AD材ですか?KD材ですか?」って
聞いてあげましょう(笑)

 

AD材は天然乾燥
KD材は人工乾燥です

 

 




・悪評のイメージ高い集成材

 

次は無垢材オンリーのメーカーから
目の敵にされる集成材です

 

とはいえ住友林業などの
高いメーカーも集成材は使いますし

 

一括りに集成材と言っても
値段差は結構ありますが

 

一番のメリットは
品質の安定ですね


我が家は基礎部分が
桧の無垢材で

 

KD材120角と記載されていますから
人工乾燥で4寸ですね

ちなみにどのような方法で
どれくらい乾燥したかなんて
教えてくれるハウスメーカーは無いと思います・・・

 

柱と梁は集成材で
間柱は杉の人工乾燥になります


集成材はこのように2~3cmの
木材を接着して
厚みを出しています

 

 

 


我が家の建築中写真ですが
これは米松の集成材です

 

実は間柱に使っている
無垢の杉より
強くて価格も高いですし

 

無垢の桧と比較しても

桧は特級、一級、二級とか
日本酒みたいですが

安い桧の無垢材よりは
集成材の方がずっと値段が高いです

本当に無垢材は金額がピンキリです・・・

なので
「何でも無垢の方がいい」
わけでもないのですが

 

 

集成材否定派の方は



「接着剤がダメになるから
持たない」という話が多いです

 

たしかに接着剤は
木と違って水分は含めませんから
水には弱いのですが

 

構造体は通常直接は
水に当たらないですし

今の接着剤は
水なんかでは取れませんから

実際に解体で
古い集成材を見ている私も

「別に問題ないでしょ」って感想です

 

多分、接着剤というのが
すぐ剥がれそうってイメージが強いんですが

 

ホームセンターの
カラーボックスとかは
すぐ剥がれますけど

 

接着剤の進化も凄くて


今は航空機も接着剤で留める位ですから
私は使用に問題ないと思っています

 

集成材はちゃんと
JASで決められている仕様じゃないと
使えませんので

品質は安定しています

 

見た目が安っぽいってのは
ありますが

構造体なら見えませんし(笑)

 

見せる梁だけ
無垢材って家も多いですね

 

 




・とにかく無垢材は目利きと腕です

昔の住宅の作り方だと
基礎から完成まで2年とかかかり

 

上棟してからも完成まで1年間とか
普通だったわけです

 

ずっと壁を塗ったりしているので

 

骨組みの木材や
庭の隅に置いてある木材は
「天然乾燥」させているわけですから

 

使う頃には
丁度いい感じになったわけです

しかも昔の家は
気密性が良くないので

 

天然乾燥レベルの含水率15%で充分でしたが

 

今は高気密で
さらに壁の中に隠れますから
含水率は10%以下になります

 

・そうなると
 人工乾燥の方が狂いが少ないという
 メリットもありますし

 

・集成材はもっと狂いませんから
 安定した性能を求めるなら
 有利です

 

 

今は、昔と違い
住宅が高気密化されていて

断熱材も隙間なく
施工している住宅には

収縮は隙間が
増えてしまう訳ですから

集成材の安定性という
メリットは非常に大きいですね

 

 

 

そのため無垢材を使うには
技術や目利きが必要で


無垢材専門の地元工務店などは
ちゃんとした材木店と
付き合いもあるでしょうし


経験もありますから
天然乾燥の無垢材も扱えますが

 

全国に安定した品質の木材が必要の
ハウスメーカーだと無理だと思います


天然乾燥は一番いい物は最上級ですが
品質にバラツキがあります

 

 

・安定性を求めると人工乾燥になって

・一番バラツキが無いのが集成材ですね

・扱いが一番大変なのも天然乾燥の無垢材です

 

なので
一番失敗するパターンとしては

 

木材の事が分からないのに
何でも無垢材ならいいって思う事ですね


https://www.tashiro.net/kenkou/nature/strength/strength.html

こちらの工務店さんの大工さんの名セリフ
「一番良いのは杉、一番悪いのも杉」

っていうのが
まさにその通りで

 

無垢材は
品質の目利き、腕が
あって初めて使える物なので

 

全国規模のハウスメーカーは
安定性、クレーム回避等

 

とにかく
ファミレスと同じように
同じ品質の物を
数多く用意しないといけないので

 

集成材を工場でカットした状態で使います

 

 




・無垢材を使うと逆に失敗するパターン

 

結局これが言いたいんですが

「無垢材は1本、1本で当然違います」

 

 

集成材はみんな同じように作りますし
工場でカットした状態で運ばれますので


番号もプリントしてあり
ここは、これを使いなさいと
全部決められています

 

まさにプラモデル感覚ですが

 

無垢材はそうはいきませんから
上級者向けです

 

ましてや
天然乾燥の無垢材なんて
超上級者向けです

 

上級者向けですから
上手な施工業者、大工さんが
使って初めて真価が発揮できます

そして、現状
ローコストメーカー

そうじゃなくても
工期の短いハウスメーカーでは
扱うのはかなり難しいですね

 

私にマニュアル車の
フェラーリくれても

免許はありますが
上手に運転出来ないのと同じです(笑)

 

後は木が割れても
クレームを付けない
施主さんの知識ですね

 

無垢材は普通に
「ピキーン」と背割れするのは
当たり前です

 

無垢材の扱いに
慣れている工務店さんなら

 

一流の料理人が築地にいって
マグロを選ぶみたいな
木の性格が分かるわけですが

 

普段集成材しか使っていない

無垢材も人工乾燥の
プレカットのみしか扱った事がない
メーカーや工務店で

 

「ここは無垢材がいい」
「やっぱり天然無垢」

なんて標準仕様から外れて
使う場合が

大抵クレームや
トラブルになりますね・・・

 

 

なので無垢材が希望の人は

 

これは木材以外の
工事全般に言える事ですが

 

扱いに慣れている
メーカーや工務店などで
建てた方が間違いが無いです

 

地域工務店などでは
天然乾燥のみの木材にこだわった
工務店もあります

当然値段も高いですが・・・

 

いい無垢材で
いい乾燥をした木材は本当に高いです

 

ただ、木材の価値が分かる人には
高く売れるわけですから

材木価格は
100%値段と品質が比例します

 

なので無理して安い無垢材使うなら
集成材の方がオススメです

 

 

集成材は長持ちしないって
不安が一番多いと思いますけど

実際に毎日解体した
古い木材に囲まれていて

それでも自分の家は
集成材で問題ないと
判断した程度には長持ちします

 

 

 

 

 

 


記事に出てきたハウスメーカーの掲示板

住友林業

ABOUTこの記事をかいた人

住宅の解体業と建物等の処分業をしていますので 安いけど長持ちする家、性能も満足出来る家を目指して建てました 「ローコスト住宅でも快適に暮らせる性能」のコンセプトで レオハウス(現ヤマダレオハウス)で注文して2017年から 今の新居に住んでいます レオハウスで建てた家と子育ての話 https://reogress.net

コメントを残す

「コメント」と「名前」は必須項目となります。