外構計画は家と同時に進める ①

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良い家と良い庭があって良い家庭ができる

なんて言う言葉もありますが、マイホーム計画で忘れてはいけないのが外構計画です

結論から言うと、外構計画は家本体の計画と同時に進めた方が絶対に良いです

外構計画を早く始めた方が良い理由としては、

・周辺環境を考慮する

・外構予算を明確にする

今回は『周辺環境を考慮する』について書いていきます

長くなるので、外構予算については別記事にてまとめていきます

 

◉周辺環境を考慮する  

住宅で一番できていないと感じるのが、この周辺環境の考慮だと思います

造園業の仕事で外構工事をしていますが、建築は素敵でも周辺環境のこと全然考えられていないなと感じる設計ってとっても多いです

その最たる例が、『とりあえずリビングを南向きに持っていく』です

リビングを南向きにすると日当たりが良いという理由だけで、南向きに大きな窓を設置することが多いですが、それだけで決めて良いでしょうか?

リビングに大きな窓を設けても、その先に見えるのは道路(公共の場)やお隣さんの玄関ではカーテンを開くこと自体嫌になってしまいます

それならわざわざリビングを南向きにしなくても良いわけです

日射を取得できなくても、暖房やライトで十分カバーできます

逆にあえて北側リビングにして、柔らかい自然光で落ち着いた雰囲気のリビングにするのも良いと思います

では、なぜ外構でこんなことを言っているのかというと、結局家本体を建ててからリビングへの視線が気になることがわかり、目隠し塀を建てることになる人が多いからです

目隠し塀は外構の中でもコストが掛かる部分です

身長170cmを基準とすると、人の目線の高さは150cm程度なので目隠し塀は最低でも高さ150cmは必要になります

仮に10m程度設置しただけで30〜50万程度は掛かるでしょう

使用する材料により価格差あり

例えばウッドデッキを設ける場合、そこでくつろぐことを想定すると、ウッドデッキ周囲を板塀で囲う必要がありますから、さらに費用が増します

ちなみにウッドデッキを外構で付けたは良いけど、人目が気になりくつろげないと、、、というのはよくある後悔ポイントです

では、これらを解決するにはどうすれば良いでしょうか

一つ目は、外構を想定して予算をしっかり残しておくこと

二つ目は、建築の向きを考える

三つ目は、わざわざ大きな窓を設けない

一つ目は、お金の問題なので省略します

 

◉建築の向きを考える 

イメージが沸きやすいようにありそうな間取りの家を作りました


正直深く考えずに作ったので、和室への入り口が無いですね(;^ω^)笑


また、長さなども適当ですが、イメージですのでご了承下さい

この家を、これまたよくある土地と外構パターン(A)に当てはめます



仮に道路と書いてある部分が南側、お隣宅A,Bが塀やフェンス(茶色線)をしてくれているとします

まぁ、よくある外構で南側にLDKの窓、そして駐車のしやすさから駐車場を横並びに設けています

この外構の問題点は、LDKから見えるのが車であり、車が出掛けていれば道路からLDKが丸見えです


では、建築の向きを変えて考えてみましょう(B)


違和感があるかもしれませんね

なぜこの向き?と

でも、外構のことを考えてみると、


南側道路に塀やフェンス(ピンク線)を設ければ、LDKのプライベートを守ることができます

また、ポーチ横にも設ければ、玄関に立つ人からも見られることはありません

外構パターンAでは、車の出入りのことを考えると、塀やフェンスもできないですし、どうしようもありません

また、実は外構パターンBは部屋の中を広く見せる効果があります

人は一番遠くに見える物までを空間と感じるので、例えば緑丸部分に植栽などをすれば、LDKや和室から植栽が目に入り、内と外が繋がるので広く感じることができます

外構パターンAでは視線が車やお隣宅Aの塀で止まってしまい、狭く感じやすいです

外構パターンAの方が土地を無駄なく配置できているようで、意外とそうでもありません

外構パターンBの方が三角形ができてしまって無駄があるようで、意外と意味ある形なのです


残りの土地を活用するにしても、外構パターンAは塀やフェンスを長く造らなければなりません

今回のように周辺環境をしっかり考えて、家の向きや配置を考えないと、外構の時に結局目隠し塀やフェンスが長い範囲で必要になり、想像以上に費用が掛かってしまう原因でもあります

しかし、冒頭でも述べたように建築が良いHMでもほとんどが外構パターンAのように土地に対してスッキリする形で収まっています

これは駐車場や庭になる部分が四角になるので合理的に見えますが、実はいまいち合理的でもない場合が多いです

 

◉わざわざ大きな窓を設けない  

せっかく南側リビングの間取りだから、窓を大きく設けたい

と思ったら、まずは家が建つ土地の上でリビングから見える景色を確認してみてください

見える景色が良ければ大きい窓を設ければ良いですが、見える先がお隣の家、道路などイマイチなことありませんか?

その場合、窓を大きく設けないという選択肢もあります

大きな窓があっても視線が気になって毎日カーテンを閉じっぱなしでは、窓を大きくした意味がありませんね

例えば、下の写真の赤丸部分に車が駐車してあったり、下側の景色がイマイチな場合


そんな時は、窓を上側だけにすれば、空の景色だけをリビングに取り込むことができます


私の家の窓も、この考えでスリットの横長になっている窓があります


この窓を大きくするとリビングからお隣のお宅が丸見えになるので、この高さ・大きさにしました

今後、窓から見える高さになる高木を植栽する予定です

モミジなど、季節の変化を楽しめるものが良いですね

逆に隣の家の窓があるなど、上側の景色がイマイチな場合


そんな時は窓を下側だけにする、もしくはロールスクリーンや簾で上側を隠すことができます


下側だけを見せるので、背の低い植物を植えるだけでもリビングからの景色が豊かになります


また、水鉢など目に止まる物を置くと、自然と目線がそこに集中するので、上側を見せたくない時はロールスクリーンや簾に合わせてオブジェになる物を置くのも良いです

 

◉まとめ  

今回はまず外の環境を考慮することについて書きましたが、家の計画と同時に進めていれば外構で必要以上に金を掛ける必要も無くなります

建築の向きを土地に対して斜めに構えるのは何となく勇気があることだと思いますが、ぜひ考えてみてほしいです

また、家は四角じゃないといけない決まりもないので、例えば三角でも、コの字でも良いので、注文住宅ならそこまで考えても良いですね

お金を掛ければ解決できればまだ良いですが、家の間取りや向きが決まってから外構では解決できないこともあります

次回はそんな外構の予算について、また外構についてしっかり考えられていると思う建築について書きたいと思います

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ABOUTこの記事をかいた人

『26歳家好き素人が2年掛けて造った注文住宅あれこれ』という個人ブログを書いているY.Uni(ゆに)です 家を建てた時は26歳でしたが、29歳(令和3年2月現在)になり、夫婦+1歳娘(超かわいい)と一軒家に暮らしています # 田舎の小さな工務店 # 川沿いの土地 # 20代の家造り # 庭造りもしたい # 数値化しない家造り # 木造の日本建築が好き # 和モダン、ナチュラル、北欧デザインが好き