広告を掲載

第9回 グレタさんが主張していることに反論している人たちへ

  • facebook
  • twitter
  • hatena
  • LINE

日、国際機構変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)が開催されました。

一躍、有名人となったグレタさんですが、日本国内ではどうもこのグレタさんについては、彼女の主張をまともに取り上げているマスコミが無いように思います。

まして、批判的な批評を繰り広げていらっしゃる方の中には全くの的はずれなことを言っている方が沢山いらっしゃることに危惧しています。

賛成・反対は色々あって良いと思いますが、まともにグレタさんの主張に耳を傾けもせずに、専門家あるいは評論家と呼ばれる方々が、ご自身で勝手な解釈をしてご意見を述べられていることには違和感を感じます。

今日は、グレタさんの主張について私の知る範囲で補足出来たらと思っています

1住宅業界が取り組む地球温暖化防止対策

住宅業界では、割と省エネルギーに関しての政策がどんどん普及しています。政府は2050年までにゼロ・エネルギー住宅を新築住宅の全てに適用出来ることを目標に、政策を進めています。

現在でも、経産省、国交省、環境省の3省が(すこしづつ方向性は違えど)連携して、このゼロ・エネルギー住宅を支援する補助金交付など、具体的な対策を行っています。国際的な約束事を果たすために、すこしづつですが日本も取り組みを始めているのです。

2評論家がよく口にしている全くデタラメなこと

評論家と呼ばる人々が口にするのは、地球温暖化防止対策をすると経済の循環が悪くなり、景気が悪くなると言う点です。この点についても、思い込みで発言されているなと思うことがよくありますが、一旦は置いておくことにします。

評論家が根本的に間違っている点で、びっくりするのは地球温暖化防止の為に二酸化炭素の排出量を抑えるためには、「人の呼気」から出てくる二酸化炭素も減らさないと駄目tと言ったような発言をされている方々です。

全くびっくりです。地球温暖化に人の呼気から出る二酸化炭素が関係すると本気で思っていらっしゃるのでしょうか??

こういった人たちは、自分の都合の良いように思い込みで解釈をされているように思います。ましてやグレタさんが主張されている内容のほんとうの意味など全く理解などするつもりも無いようです。

少なくとも、専門家や評論家を気取るのであれば、この程度のことについては、事前にちゃんと知ってから発言すべきだと思うのですが・・・

この「人の呼気」に含まれる二酸化炭素は、どう解釈すれば良いでしょうか?

3地球温暖化に影響する二酸化炭素とそうでない二酸化炭素の違いとは?

実は、二酸化炭素にはこの話の中では大きく分けて2つに考える必要があります。一つは地球温暖化に影響を及ぼしうる二酸化炭素と、もう一つはそこには影響しないとされている二酸化炭素です。

「もともと地表にある二酸化炭素は、基本的に地球温暖化には影響しない」

例えば、人類が酸素を吸って、二酸化炭素を吐く。この行為自体は地球温暖化に直接影響は及ぼさないとされます。だって、地球上の大きな循環の中では、やがてこの二酸化炭素は植物に吸収され、酸素に戻されるものなのだから。

もちろん、人類が爆発的に増えれば、そこから発生する二酸化炭素の量も真剣に考える必要がありますが、今の所問題の本質はそこにはありません。

では、地球温暖化に影響を及ぼしうる二酸化炭素とはどんなものなのでしょうか?

実は、この地球温暖化防止活動の根本は極論、エネルギー資源そのものの問題なのです。つまり、地球温暖化に最も影響を及ぼすとされている二酸化炭素は、本来であれば掘り起こさなければ永遠に眠っているとされている、石油や石炭を燃やすことによって発生する二酸化炭素のことなのです。

ここからは私の推測ですが、おそらく地球温暖化防止の原因を二酸化炭素という表現にとどめているのは、これらのエネルギー資源を収入源としている国々への配慮もあってのことだと思います。

人類の歴史は、常にエネルギー資源問題と共にあり、エネルギー資源を争っては戦争を起こしてきた歴史があります。なので、この地球温暖化問題を、石油や石炭の使用を止めようと言う話になると、大事になりかねない。そんな意図が見え隠れしています。

これらの地中に眠っているはずの石油や石炭は、気の遠くなるような歳月を経て、地中の植物などから生成されます。これを人間が200年やそこらで掘り起こし、燃やすことで、二酸化炭素やそれに付随する生成物に変えてしまうことが問題なのです。

燃やして発生してしまったこれらの二酸化炭素を地中へ返すことなど、自然の流れではまた気の遠くなるような時間が必要になるのです。

ですので、これらの使用をなるべく避けて、代替エネルギーに変えていきましょうというのが、本来の話の筋なのです。

ですので、「人の呼気」から出てくる二酸化炭素の量は基本的には関係ありません。

また、森林から“適切に”伐採してきて、火を起こした場合に発生する二酸化炭素も地球温暖化には影響しないとされています。こちらも、その量が適切であれば、地表上の大きな循環の中の一つの活動と見なされるからです。

しかし、現状のオーストラリアで発生しているような大規模な火災となると話は別です。これによって、また二酸化炭素の量も増えますが、それ以上に発生した二酸化炭素を酸素に変えてくれたり、自分の中に溜め込んでくれる、植物自体が大きく減ってしまうのです。

プラスがゼロに変わるだけでなく、大きなマイナスになってしまうのです。如何に今回の火災が恐ろしいことか、想像してみて下さい。

4地球温暖化防止活動をすれば経済は停滞するのか?

さて、最初に申し上げましたが、地球温暖化防止活動をすれば経済は停滞するのでしょうか?停滞すると思っている方は、何故停滞すると断言出来るのでしょうか?

本来、日本は小資源国です。ですので、エネルギー資源は海外に頼っています。毎年そのせいで、数兆円と言う金が海外に流れています。これを代替エネルギーに変える努力をすれば、国内でお金が滞留するようになり、本来であれば日本は潤うはずなのです。

何故、未来の大きなメリットに目を向けずに、瞬時的な変化の過程しか見ない発言をするのでしょうか?変化に伴う痛みが耐えられないと思っているのでしょうか?

私からすると、そんな具体的な話があるのではなくて、思い込みで発言されているだけのようにしか感じないのですが、皆さんのご意見は如何でしょうか?

次回以降、もう少し地球温暖化防止と言う観点のお話をした上で、新しい家づくりの話題に移っていきたいと思います。

【コラムニストサービス紹介】住宅CMサービス
「いい家を安く」を実現させるために、専門家の知識と経験を利用できるCMサービス。特に大阪で注文住宅を検討中の方に、ご検討いただきたいサービスです。詳しく知りたい方は「住宅CMサービス堺・和泉」ページをご覧ください。

太田 周彰 このコラムの執筆者
太田 周彰(オオタ ノリアキ)
大手ハウスメーカーの研究開発に所属し、住宅の断熱・気密・屋内の温熱環境に関する研究・商品開発に携わる。2008年から株式会社住宅みちしるべ一級建築士事務所設立。超高断熱住宅やZEH(ゼロエネルギー住宅)にいち早く取り組む。同時に近畿大学非常勤講師も勤める。

コラムバックナンバー